肛宴のお龍

50.抵抗と屈服

何度も何度も気を遣りながらお龍は熱いドロドロの浣腸液2リットルを直腸に注入された。首縄を引き千切らんばかりに仰け反り、歯を食い縛って呻き声を上げ ながらも、決して親分の顔から目を逸らせることはなかった。そして、裸身をガクガクと震わせ僅かに腰をくねらせはしたが、後門はしっかりと嘴管を咥えて離さなかったのである。

「それじゃ、5分間我慢するんですよ。好きなだけ気を遣ってもいいが、もし漏らしたらお嬢さんと交代ですよ。そして5分経ったら今度は私の精液を注入してあげますからね」

相模屋は空になった浣腸器を若い衆に渡すとどっかと椅子に腰を下ろし、早速芸者衆が両側から銚子を持ってお酌を始めると 、便意を我慢して呻きながら時折くねらせるお龍の裸身を肴に美味そうに酒を仰いだ。

円卓を囲んでいたヤクザ達は二度目とあって何人かを残して一旦お龍の身体から離れてそれぞれの膳に戻り、互いに酌をし合いながら次の見世物を待っていた。座敷のあちこちで ボソボソと低い声で話しながら、時折お龍の呻き声が響くと円卓の方を振り返るのであった。

残った数人は相模屋の左右に分かれて円卓に両肘を付き、酒も飲まずに食い入るようにお龍の裸身を見つめていた。そして相模屋の反対側ではお龍の視線を受けながら、東の親分が悠然とした態度でお銀の酌を受けていた。

何かに憑かれたように淡々と責めを受け入れることを承知したお龍の視線に、最初こそ少したじたじとなった親分だったが、そこは流石に何度も修羅場をくぐってきたヤクザの頭である。仰向けになっているお龍の顔に逆に自分の顔を近づけるようにして、便意に耐えて苦悶する美貌の侠客の表情を間近に見て楽しむ余裕を見せていた。

仙吉がようやく座敷に姿を見せたのはちょうどそんな時であった。軽く頭を下げて座敷に足を踏み入れた仙吉は、真っ直ぐに親分の隣まで来ると円卓の上で必死に便意を我慢しているお龍をチラリと見てから 腰をかがめ、親分の耳元に顔を近づけた。そしてお銀が気を利かせて離れるのを待って囁いた。

「鉄二さんの親が見つかったと聞きましたが」

「おお、そうなんだ。その事についてはお前が一番詳しいと思ってな」

「へぇ、そうですが、実は鉄二さんの親はずっと以前に知れているんですよ」

「えぇ、何だって。鉄二も知ってるのか」

親分は相模屋に気づかれないように横を向いて囁いた。

「へぇ、ただ、親御さんから名前は伏せてくれと言われてるので、鉄二さんも誰なのかは知りません。親分さんに内緒にしてて申し訳ありませんでしたが、 鉄二さんから自分の親は親分さんだけだから言わないでくれと頼まれまして」

「そうか、鉄二がそんなことを。それでその親というのは相模屋さんでは無いんだな」

「残念ながら」

「でも相模屋さんも8月1日に赤子を置いたと言ってるんだ」

「確かに二人目の赤子が捨てられていました。手紙も付いてました。『訳あって私達には育てることができません。親分さんの温情におすがりしたくよろしくお願いします』とかって。 しかし二人も赤子を引き取る訳にはと思って他所へ持って行かせたんです」

便意に苦悶しながら二人の会話を聞いていたお龍の顔が強張った。

「どこへだ」

「西親分の……」と仙吉が言い終わらないうちに、突然お龍が「ヒィィイイイ」と悲鳴を上げ、胡座縛りにされた裸身をくねらせたので親分が振り向いた。

「おい、どうしたんだ、お龍。もう少しの我慢だ」

親分は笑いながら言ったが、お龍は「イヤァ、ァァア、イヤァ」と一層激しく身体をくねらせ、縄がギシギシと鳴った。

「おい、お前たち、お龍を押さえろ」

親分が言うと4,5人の若い衆達がバラバラとお龍の裸身に取り付いた。

「さっきまでの勢いはどうしたんだよ、おい、お龍」

親分はそれだけ言うとまた直ぐに深刻な顔に戻って仙吉の方を向いた 。お龍は依然として「ヒィ、ィィィイイ」と悲鳴とも喘ぎともつかない声を上げながら裸身をくねらせている。

「そうか、西のところか」

「あの頃は結構付き合いもありましたから」

「参ったな、今更尋ねる訳にはいかないし、相模屋さんに何て言ったらいいものか……」

仙吉と親分が顔を寄せあって首を捻っていると、「そろそろ5分ですよ」とお銀が言ったので二人は相模屋の方を向いた。

「おや、もう5分ですか、早いもんですな」

相模屋は立ち上がると下帯をスルスルと外し、着物の裾を絡げて自慢の一物を取り出した。

「まあ、ご立派なこと」と両側から覗きこんだ芸者衆が大きな声を上げたが、仙吉は親分の方を向き「じゃあ私はまだ仕事が残ってますので」と言って立ち上がると座敷を出て行った。

お銀は仙吉の後姿をちらりと見たが、また相模屋の方に向き直るとにっこりと笑い、「菜種油もたっぷりと塗りますね」と言って菜種油の瓶に二本の指を突っ込んでから相模屋の怒張した一物に菜種油を塗った。

「これはこれは、済まんですな、お銀さん」

相模屋の嬉しそうな顔に頷いてから、「こっちにも塗っておきますね」と言ってお龍の後門にも菜種油を塗り込め ようとすると、「ヒィィィ、イヤァ、イヤァァアア」とお龍が必死に裸身をくねらせる。

「そんなに欲しそうに身体をくねらせるんじゃないよ」

お銀に言われるとお龍が一瞬動きを止めた。

「ほら、捕まえた」

一瞬の隙をついてお銀がお龍の後門に指を当てると、如何に激しくお龍が身体をくねらせてもお銀の指はまるで吸い付いたように後門から離れなかった。

「よしよし、たっぷり塗ってやるからね」

お龍の腰の動きに合わせるようにお銀は菜種油を載せた二本の指を巧みに動かし、必死に窄めているお龍の後門にゆっくりと円を描くように塗りつけると、「ククククゥゥゥ」とお龍が呻き、目尻から涙をポロポロと垂らした。

「おやおや、そんなに嫌なのかい、お龍さん」

お銀が笑いながら菜種油を塗り終わり、懐中時計を見ると「ちょうど、5分経ちましたよ」と言った。

「さあ、それでは蛇の顔に模様を付けさせてもらいましょうか」

相模屋は円卓に近づくと両手でお龍の太腿辺りを押さえながら、一物を後門に当てようとしたが、「ヒィィイイイ、ヒィィイイイ、イヤァァァアアア」と叫びながらお龍が激しく身体をくねらせるので、如何に数人の若い衆が押さえこ もうとしても、中々その中心に当てることが出来ない。

「一体どうしたんだい、お龍さんよ。そんなに相模屋さんに犯されるのが嫌なのかい。さっきは指をねだったりしたくせに」

お銀が揶揄するがお龍の抵抗は収まる気配が無い。

「フッフッフッ、これは凄いことになりそうですな。緑色の浣腸液の凄まじい便意を我慢して必死に窄めている後門に無理やり捩じ込むだけでも面白いですが、さらにどういう訳かお龍さんは私の一物を受け入れるのが嫌みたいですからな。しかし、どんなに嫌がっても胡座に縛られて そんな風に太腿をおっぴろげていては何とも逃げようがありませんな」

相模屋はお龍の暴れるのを楽しむようにニヤニヤ笑いながら、もう一度一物を後門に当てようとしたが、お龍がいっそう激しく身体をくねらせるので、やはり上手く行かない。

先程からお龍の顔を間近に見ていた親分にも、どうしてお龍が突然このように暴れるのか見当が付かなかった。しかし、相模屋の言うとおり嫌がれば嫌がるほど、責め甲斐があることも確かである。そして何より気の強いお龍である。力尽くで押さえつけるのではなく、それ程嫌な相模屋の一物を自ら受け入れるように仕向ける方が面白い 。

「おい、お前たち、離れろ!」

親分の大きな声に若い衆達が慌ててお龍から離れた。

「おい、お龍。押さえられなくても浣腸に耐えられると言ったのは嘘か?」

「あぁ……、そ、それは」

お龍が仰向けになったま上目使いに親分の方を見ながら言った。

「どうなんだ、あれは嘘だったのか?」

「い、いいえ、本当です」

「だったら、一人で相模屋さんのを受け入れられる筈だな?」

「あぁ……、そ、それだけは……ククゥゥ」

「どうした?」

「あぁ、お、お腹が、ククゥゥ、そ、それだけはご勘弁を」

「どうしてだい?」

「あぁ、そ、それは。その代わり、お、親分さんのをもう一度頂戴しとう御座います」

「俺のが欲しいのか」

「は、はい、ククゥゥ」

必死に便意を堪えながらも自分の一物をもう一度欲するお龍に親分は気持ちを擽られたが、そこはぐっと我慢した。

「そう言ってくれるのは嬉しいがな、お龍よ、次は相模屋さんだ」

「あぁ、親分さん、お龍を助けると思って……ククククゥゥゥゥ」

「駄目だな」

一際激しい便意が襲ったらしく、お龍は親分から目を逸らして首を左右に激しく振りながら、胡座縛りに掛けられた裸身をガクガクと揺らせた。

「おい、そんなにいつまでもは我慢が続かんだろう。さっさと相模屋さんの一物を受け入れて次に進まないと、それこそ漏らしてしまったらお京と交代だぞ」

「ククククゥゥゥゥ、そ、それだけは」

「だったら相模屋さんの一物を受け入れるんだな」

「あぁ、そ、それだけは。そ、その代わり、お、お龍を親分さんの女にして下さい。もう、お龍は帰してもらえなくても結構ですから」

仰向けのままで上目使いにこちらを見つめながら、自分の女にしてくれと言われると流石の親分も心が揺れた。しかし、逆にそこまで嫌がる相模屋に犯されるお龍をじっくり見てみたいと も思ったのである。

「駄目だ、次は相模屋さんの一物を受け入れるんだ。暴れたらお京と交代させる。分かったな」

「あぁ、いやぁ、いやぁ」

お龍は必死に泣き叫ぶが、親分は冷たく言い放った。

「おい、お京を連れて来い」

「あぁ、お、お嬢様は連れて来ない……ククククゥゥゥゥ」

お龍は叫ぼうとしたが、再び襲ってきた便意を堪えるのに必死で声が出せず、ただ力なく首を左右に振るばかりである。

すぐにお京が引き立てられ、相模屋のすぐ横へ座らされると、「ヒィィ」と悲鳴を上げた。胡座縛りにされて無残に開かれたお龍の局部を目の当たりにした のである。しかもお京の頬には相模屋の一物が今にも触れそうである。

「おい、お龍。分かってるだろうな、これ以上暴れたら、直ぐにお京と交代させるからな」

「ヒィィイイ、ヒィィイイ」

「どうなんだ、分かったらちゃんと返事しろ!」

「アァァ、アァァ」

「あぁじゃない」

「ハ、ハィ……」

消え入りそうな声で返事をしたお龍は、さっきまで親分を見つめていた大きな目を固く閉 じて必死に歯を食い縛り、先ほどまでお龍の裸身を押さえこんでいた若い衆達は、お龍が相模屋の一物を受け入れるところを間近で見ようと円卓にへばりついた。

「そろそろ良さそうですな」と相模屋が再び円卓に身体を近づけると、「お待たせしました、相模屋さん」と親分が声を掛けた。

「では」と言うと相模屋はお龍の縛られた足首辺りを左手で掴んだ。

「アゥゥ」とお龍は喘いだが、裸身をくねらせることはなく、目を閉じて歯を食い縛っていた。

「今回は素直ですな。親分さんの一喝が聞きましたな、フッフッフッ」

相模屋は気味の悪い笑みを浮かべながら、右手を一物に添えてお龍の後門に当てた。

「ハゥゥゥ」

お龍は喘ぎながら顔を仰け反らせたが、裸身をくねらせることだけは必死に我慢した。

「それでは入れますよ、お龍さん」

相模屋はそう言うと身体を前に倒した。

「おぉ、必死に窄めてますな。そう、その調子ですぞ。そうやってきつく窄めてる程、こじ開けられた時の快感が大きいのをお龍さんもよくご存知だ。ましてそんなに嫌がってる私に犯されるとあっては……」

「クゥゥゥゥ」

「それでも、こうするとどうですかな、ほれ……」

相模屋がそう言いながら腰をぐいと前に突き出した途端、お龍の口から凄まじい叫び声が発せられた。

「グググゥゥィィイヤァァァアアアアーーー」


部屋に戻った仙吉がしばらくして帳簿を付け終わって厠へ行くと、鉄二が先に派手な音を立てて小便をしていたので横に並んだ。

「鉄二さんもああいう宴会は好きじゃないと見えますな」

「おぉ、仙吉さんか。まあな。女一人を寄ってたかって嬲りものにするっていうのはどうも性に合わない」

仙吉の方に顔を向けて鉄二が言った。

「でも若頭がそんなことを言うと親分さんがお困りでしょう」

「まあな、でも俺の育ての親は仙吉さんだから、仙吉さんに似るのは仕方ない」

「私の育て方が拙かったですかな」

「いや、そういう意味じゃなく、俺はこっちの方がいいんだ」

鉄二はそう言うと、ジョン・ジョン・ジョンと音を立てて小便をし終わり便器から離れたがそのまま後ろの壁にもたれて仙吉を待った。

「それはそうと、さっき親分から妙な話を聞きましてな」

仙吉の小便はチョロチョロと続いていた。

「なんだい?」

「今日来られてる相模屋さんが30年前の8月1日に自分の赤子を置いたと」

「えぇっ、まさか俺の親が相模屋だと?」

鉄二は壁から離れて仙吉に一歩近づいた。

「いや、そうじゃありません」

仙吉はやっと小便を終えると鉄二を促して厠から廊下へ出た。座敷からは騒がしい声が聞こえてくる。

「鉄二さんの親は以前にお知らせした通り別の方です」

「そうか、それなら良かった。じゃあ、その晩は二人も赤子が置かれたってぇ訳か」

仙吉が頷いた。

「で、その相模屋の赤子はどうしたんだい」

「二人もうちで引き取るわけにも行かないんで他所へ持って行かせたんです」

「そうか。それじゃもう分からないんだな。いや、俺も相模屋はあまり好きじゃないが、捨てられた赤子はちょうど俺と同じ歳だろう。育ての親にはもちろん感謝するが、やはり産みの親のことは気になるからな。俺もそろそろ仙吉さんに産みの親のことを聞こうかと思ってたところなんだ」

「そうですか。それなら一度手紙を書いてみます。私もしばらくお会いしてませんが、もしかして気が変わられて会いたいと仰るかもしれません」

「そうか。頼むよ、仙吉さん」

「分かりました」

仙吉はそう言うと部屋へ戻りかけたが、一旦振り返ると「その二人目の赤子は西親分の所へ持って行かせたんですよ」と言った。

「えっ、何だって、西組へ持って行ったのか?俺と同じ日に捨てられた赤子を?」

「そうですが、鉄二さん何かご存知なんですか?」

「知ってるも何も、……」

鉄二は慌てて駈け出し、仙吉も訳が分からずに後を追った。


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