肛宴のお龍

47.最後の卵

ぶよぶよした相模屋の下腹部に跨ったお龍は、直腸の再奥に長時間置かれた卵を産もうと何度も何度も息んだ。しかし、卵が動く気配は無かった。

「あぁぁ」

お龍がまるで助けを求めるかのように喘いだ。

「どうしました、お龍さん。接吻してもいいんですよ」

相模屋がニヤニヤしながらお龍の顔を覗きこむと、お龍は「いやぁ」と言って顔を背けた。

「これはこれは嫌われたもんですな。じゃあもっと身体をくっつけて」

相模屋が一層強く抱きしめるとお龍の豊満な乳房が潰れ、「アァァ」とお龍が喘いだ。

「ほら、もっとしっかりと息まないと産めませんよ」

相模屋に揶揄されてお龍は再び息み始めるが、やはり動く気配は無かった。

「あぁぁぁぁ」

お龍の喘ぎ声はまるで万策尽きたかのように聞こえた。

「どうしました、時間を測ってもらいましょうか?どうもお龍さんは追い詰められないと真面目にやって下さらないみたいですからね。お銀さん、お願いできますか」

「もちろんです、相模屋さん」

お銀が相模屋から預かったままの懐中時計を取り出し、「イチ、ニイ、サン、シ」と数え始めると、お龍は慌てて再び息み始めた。 しかし、それでも一向に卵が動く気配は無かった。

親分がニヤニヤしながら相模屋に近づいてきて耳元で囁いた。

「えらく苦労しているようだが」

「さっき若い衆に頼んでなるべく奥へ押し込んでもらいましたからね。特にあの指の長い若い衆には助かりましたよ。これで間違いなく汚れた卵を産みますよ」

相模屋はそう囁き返すと薄気味悪い笑みを浮かべた。

「三十一、三十二、……」

「ほらほら時間が無くなりますよ。最後の一つはかなり奥に入ってしまってるんですから普通に息むだけじゃ駄目じゃないですか?接吻してもいいんですよ」

相模屋が笑いながら言った。

しかしお龍は顔を左右に振りながら息み続けた。

「三十六、三十七、……」

「時間が無くなりますよ。産めなかったらお嬢様にさせることになるんですよ。それでもいいんですか?意地を張らずに唇を合わせましょうよ」

相模屋が嬉しそうに言うが、お龍は尚も顔を振りながら息み続けた。しかし、お銀が「四十、四十一、……」と数えると、流石にお龍もこのままでは無理だと諦めたのか、相模屋の方をじっと見つめた。

そして、「相模屋さん」と呟くと、濡れて光る柔らかそうな半開きの唇を、だらしなく開いている相模屋の唇に合わせたのである。

目を瞑って「ムムムゥゥゥゥ」と呻くお龍の目尻からは涙が一筋、また一筋と流れたが、対照的に相模屋は大きく目を開いて、周りのヤクザ達を見渡しながら満面の笑みを浮かべたのである。

「フムムゥゥゥゥゥウウウ、フムゥゥゥゥウウウ、フムゥゥゥゥウウウ」

お龍は何度か息むと唇を離し、「アァァァ」と艶っぽい声で喘いだ。直腸が卵を捉えたのだ。そして息を次ぐとお龍は再び相模屋の口を吸い、座敷中が蕩けるような声を漏らしながら再び息み始めたのである。

何度か息んでは唇を離して喘ぎ、息継ぎをしては再び相模屋の口を吸いながら息むのであった。


相模屋さんの唇を吸うというおぞましい行為を続けながら、私は一心に祈りました。

これは竜也なのよ。私は竜也に抱かれているの。愛してるわ竜也。だから産ませて。あと一つ。もうこれで最後。この卵を産めばお嬢様と一緒に帰れる。だからお願い、産ませて、私に産ませて。

「アァァァ」

突然骨盤の奥を撫でられたような気がして、私は竜也の唇を離すと喘いでしまいました。直腸が卵を捉えたのです。

ありがとう竜也。

でも嬉しさのあまり少し目を開いた私は、吸っていたのが相模屋さんの唇であることに気付きました。

「ヒッ」

しかし、ここで諦めるわけにはいきません。私は目を瞑ると再び相模屋さんの口に唇を合わせ、必死に息みました。

「フムムゥゥゥゥゥウウウ、フムゥゥゥゥウウウ、フムゥゥゥゥウウウ」

はっきりと卵が動き、骨盤の奥から得も言われぬ快感が湧いて来ます。

「アァァァ」

この調子よ。

私は息を次ぐと、再び相模屋さんの唇を吸いながら、気持ちを振り絞って息みます。

「フムムゥゥゥゥゥウウウ、フムゥゥゥゥウウウ、フムゥゥゥゥウウウ」

「アァァァ」

アヌスが開きます。もうひと息です。これで最後。

私は思いっきり息を吸うと、だらしなく開いた相模屋さんの唇に私の唇を重ねました。

「フムムゥゥゥゥゥウウウ、フムゥゥゥゥウウウ、フムゥゥゥゥウウウ」

「アァァァァ」

私は堪らずに唇を離して喘ぎます。アヌスが開いてヌルヌルの卵が出て来るのです。そして限界までアヌスが開かれると私は大きく叫びながら絶頂へと駆け上がるのです。

「イヤァァァァアアアア……」

でも。あぁ、いやぁ。

卵がこんなに長いはずはありません。

コトンと卵が小鉢に落ちる音がしたのに、私のアヌスは未だ何かを産もうとしているのです。

もう一つ残ってたの?

いえ、それは硬い卵の感触とは異なる、もっと日々慣れ親しんだものです。

あぁ、駄目、止めなければ。

しかし産まれかけたそれを途中で止めることなど出来るはずがありません。

「あぁ、いやぁ、いやぁ、あぁぁ、許して、あぁ、いやぁぁぁぁ……」

ニュルニュルと産まれたそれは音もなく小鉢の中に落ち、アヌスが静かに口を閉じました。

座敷中がシーンと静まり返りましたが、一瞬於いてヤクザ達が大声で笑い出しました。しかも臭いまで漂ってきます。私が何を産んだのかは明らかです。

「どうです、親分さん。綺麗な卵を産みましたかな?」

「どうもこうも、これは酷いですぜ、相模屋さん。卵は茶色の粘液がべっとり付いてるし、しかも卵の後からオマケまで」

「オマケとは。どれどれ?」

相模屋さんが私を抱いたまま覗き込もうとすると、親分さんが小鉢を取り上げて相模屋さんに向けました。

「おやまあ、これはこれは。お龍さん、これは約束が違いますな」

「ああ、御免なさい、許して下さい」

私は相模屋さんの肩に顔を付けて泣きながら謝ります。

「もしかして私に嫌がらせで、こんなオマケまで?」

「いいえ、そんな、私はただ必死で」

「そうですか?まあ、どっちにしても約束は約束だ。もう一度大量浣腸のやり直しですな」

「あぁ、そんな、もう身体が……」

「だから先に大量浣腸をしたらどうかと言ったんですよ。それを断ったのはお龍さんですからね。それともお嬢さんと交代しますか?」

「あぁ、それだけは。わ、私がします。私がしますから、私にして下さい」

「して下さいって、何をですか?」

「か、かんちょうを」

「普通の浣腸じゃないでしょう?」

「た、たいりょう、か、かんちょうを」

「そうですか、大量浣腸をね。親分さん、浣腸はまたお任せしますよ」

「任せてくれ。実は出番が来ると思って既に準備を始めてるんだ」

「ほう、それは何か特別の」

「そうなんだ。香港マフィアの陳を知ってるかい?」

「名前だけは」

「そうかい。その陳が前に日本へ来た時に、夫人も同伴だったんだが、その夫人、第二夫人か第三夫人だったと思うんだが、これがまあ若い衆なら一目見ただけで漏らしてしまう程の傾国の美女だな、その夫人を使って見せてくれたんだ」

「ほう、それは何やら凄そうですな」

相模屋さんは私を抱いたままで相槌を打ちます。

「陳夫人はまず素っ裸に剥かれて胡座縛りで円卓の上に仰向けにされたんだ。あの中国料理で使う、真ん中の丸いところがグルグル回るやつだ。おもむろに陳が取り出したのは2リットルは入る巨大なガラス製浣腸器だ。しかもそこには緑色の不気味な浣腸液が入ってるんだ」

「緑色ですか?」

「そうだ。そして若い奴らが暴れないように陳夫人の身体を押さえると、陳は浣腸器の太い口を陳夫人の肛門にねじ込んだ。陳夫人は何度か経験があるようだったな、凄まじい暴れようだった。しかし大勢に押さえられているので身動きは取れない。そして陳がゆっくりとピストンを押していくと、 必死の形相で『熱い、熱い』と叫ぶんだ」

「浣腸液が熱いんですか?」

「そうなんだ。それは後で説明するが、2リットル全部を注入し終わると陳は5分間待った。その間の陳夫人の苦しみようと言ったら凄まじいもんだ。グリセリンなんか比べ物にならないみたいだ。5分たったら陳は今度は自分のでかい陰茎を陳夫人の肛門にぶち込んだ。そして何度か激しく抜き差ししてから最後に射精したんだ」

「凄いですな」

「いや、凄いのはこれからだ。陳夫人はさらに5分間待たされた。もう全身汗びっしょりだ。そして5分たってやっと排泄が許された。陳が『よし、いいぞ』と言うなり、丸テーブルをゆっくりと回すと、陳夫人が肛門を緩めたんだが出てきたのが何だと思う?」

「何と思うって、浣腸液を噴きだしたんじゃ?」

「それがだ、陳夫人が肛門からひり出したのは、緑色の錦蛇、いや、そう見えるだけなんだが、ちゃんと蛇の形をしてるんだ。顔の辺りは白い模様が付いてな。テーブルがゆっくり回るにつれて蛇がニョロニョロと陳夫人の肛門から出てきて、ちょうど一周回ったところで完成だ」

「そ、それは凄い」

「俺も腰を抜かしたよ」

「それで陳は次に俺にもやらせてくれたんだ」

「その傾国の美女と」

「そうだ。再び緑色の浣腸液を注入された陳夫人の肛門に俺の一物を入れたとたん、凄い締め付けにあっけなく俺は射精しちまった。しかし最後には俺の模様の入った錦蛇を産んでもらったよ」

「話を聞くだけで漏れそうですな」

「そうだろ。それで陳に何とかその浣腸液を分けてくれないかと頼んだんだ。まあその代りに日本での商売の手助けはしたがね。そしてようやく陳が浣腸液の材料を送ってくれた。どうやら特殊な海藻と漢方薬を混ぜてあるらしい。水では溶けないんだが熱めの風呂位の温度にすると溶ける。だから注入される時は熱いんだ。そして人肌位に冷めると固まるんだ。それで早速何人かの女郎に使ってみたんだが、誰一人として5分も我慢出来ない。どうやら強烈な便意を引き起こすみたいだな」

「なるほど、じゃあ、それをお龍さんに」

「あぁぁ」

思わず喘ぎ声が出てしまいます。親分さんの話から、きっと私にされるのだと 分かってはいましたが、改めて言われると身体がビクンと震えました。

「おや、お龍さん、もう感じてますな」

「そうか、それは頼もしい。流石にお龍だ」

そう言って親分さんは私の背中をポンポンと叩きました。


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