肛宴のお龍

43.一輪挿し

排尿の舞台が整えられるほんの少しの間だけ、私は再び肌襦袢を羽織らせてもらいました。これはもちろん私を裸に慣れさせない為で、後で脱がせた時の羞恥心を煽ろうというお銀さんの企みなのですが、そうと分かっていても肌を隠せるのは有難いのです。 しかし肌襦袢を羽織ったからといって尿意が消えるわけはなく、私は座敷の隅に正座して必死に尿意を我慢していました。

そんな私を揶揄しながらヤクザ達は次々と小便に立ち、その間に花瓶台が運び込まれたり、仲居さんが細首徳利を持って来たりと座敷はざわついていましたが、準備が整う頃にはヤクザ達も席に着いて 酒を酌み交わしながらボソボソと囁き合うだけで、芸者衆もまだ出番ではないと静かに座っています。

明るい照明の真下には厠から持ってきた花瓶台が据えられ、その上には心細い程小さな白磁の細首徳利が三本並んで恥ずかしそうに小さな口を開いています。花瓶台の両側には 1メートル程の間隔を開けてレンガが三つずつ積まれてい ますが、先ほどの厠での時と同じようにレンガは横向きに置かれているので、私はその上に爪先立ちになるしかないのです。

「さあ、準備が出来ましたよ、お龍さん」

相模屋さんが言うとヤクザ達がお銚子や盃を手にしたままぞろぞろと花瓶台の向こう側へと集まります。

ああ、これでやっと尿意の苦しみから解放されます。でもその為には大勢のヤクザ達に見られながら、あの細首徳利の中に排尿しなければいけないのです。

「さあ、立つんだよ」

お銀さんに促されて私は尿を漏らさないようにゆっくりと立ち上がりましたが、思いがけず直腸の官能器官を刺激されて喘いでしまいました。

「アァァ」

尿意のことで頭が一杯で忘れていましたが、直腸の中にはまだ二つの卵があったのです。でも二つだけなら、ゆっくりと動けば気を遣ってしまう程のことはなさそうです。

「もう要領は分かってるね」

お銀さんに言われると私は黙って頷き、太腿をピタリと閉じたままゆっくりと花瓶台に向かって歩を進めます。すぐにお銀さんの手が伸びて来て細紐を解かれるのかと思いましたが、意外にも誰の手も伸びて来ません。肌襦袢を剥がされるのはもう少し先のようです。

花瓶台の前で私は立ち止まりました。

すかさずヤクザ達が口々にやじを飛ばします。

「いよっ、お龍さん、また立小便かい?」

「そりゃ、男勝りのお龍さんなら当然だろう」

「今度は的が小さいけど、大丈夫かい?」

「俺がチンポを摘んで狙いを定めてやろうか?」

あぁ、こんな下劣なヤクザ達の前でしなければならないなんて。でも、それしか私に残された道は無いのです。 それに躊躇している間にも尿意は益々逼迫してきて私は太腿をきつく閉じ合わせたまま裸身をくねらせてしまいます。

あぁ、早くここでしてしまうしかありません。

私は一つ大きく深呼吸を しました。そして一度ぎゅっと太腿をきつく合わせてから、思い切って右足を開きながら大きく上げ、三段に積まれたレンガに爪先を載せました。脚を開いた為に尿意が俄然逼迫し、太腿が開くのを待っていたかのようにさっと忍び込んできた冷気に陰裂を撫でられるともう我慢の限界です。

「ウゥゥ」

早く左足もレンガに載せなければ。

慌てて右足に重心を掛け、左足を持ち上げようとした時です、お銀さんの手が伸びて来て、あっと言う間に細紐が解かれました。肌襦袢の前身頃が ハラリと開いて右の乳房がブルンと飛び出し、お腹はもちろん無毛の下腹部から太腿の付け根はもちろん右脚の全てが露わになります。

「アッ」

今まで何度も見られたはずなのに、ほんの少しのあいだ肌襦袢を羽織っていた所為でしょう、改めて裸身を晒す恥ずかしさで私の頬はみるみるうちに紅潮します。それでも今はまだ私の局部の前には花瓶台が置かれてヤクザ達の視線を少しは遮っているのです。これから左足をレンガに載せれば、ヤクザ達の目の前にまともに局部を晒すことになるのです。

「どうしたんだい?焦らさないで早く拝ませてくれよ」

またやじが飛び、私は全身を紅く染めて立ち尽くしますが、恥ずかしさで一時薄れていた尿意が再び猛然と襲いかかって来ては躊躇している余裕はありません。

私は紅く 染まった顔を左右に振りながら、もう一度右足に重心を掛けると左足で畳を蹴りました。そして花瓶台とその上に横一列に並べられた三本の細首徳利を跨ぐようにレンガの上に 爪先立ちになった時には、肌襦袢は肩から滑り落ちてしまって私は一糸纏わぬ全裸になったのです。

「オォッ」とヤクザ達がどよめきます。

とてもヤクザ達と視線を合わせることは出来ずに下を向くと、固く尖った乳首をその先に戴せた二つの豊満な乳房がまるで見て見てと主張するように膨らみを増しています。そして更に視線を下に落とすと、両脚を大きく広げている為に陰裂が綻びを見せ、その間から恥ずかしさの為か少し勃起した大きなクリトリスがほんの少し顔を出しているのです。

「あぁ」

私の局部を遮るものは何も無く、私はこの恥ずかしい姿をヤクザ達の目の前に晒しているのです。

しかも、これからこのままの格好で排尿をしなければならないのです。

再び尿意が襲って来ました。

早くしなければ。

しかし徳利の口はクリトリスよりも10センチ程も下です。このまま細い口を狙うのは不可能です。

もっと近づける為には、少し膝を曲げて腰を落とさなければなりません。既に十分恥ずかしい格好なのに、これ以上脚を開くなんて。しかもずらりと並んでこちらを向いているヤクザ達の前でそんな格好をしなければならないなんて。

でもそうするしかありません。

私は一つ大きく息を吸うと、少し腰を屈めて三本並んでいるうちの真ん中の細首徳利の口にクリトリスを近づけようとしました。

「こりゃホントに立ちションだな!」

ヤクザ達がどっと沸きます。

しかし私は顔を真っ赤に染めながら腰を落としていきます。でもレンガの上に爪先立ちになっていては身体が不安定で的が定まりません。 しかも局部で徳利を押してしまえば直ぐに倒れてしまうでしょう。

「腰を支えてやりな」

お銀さんが優しい声を掛けて下さり、若い衆が後ろから私の腰をしっかりと支えて下さいます。

「あぁ、有難うございます」

これでクリトリスは細首徳利の口にそろりと触れることが出来ましたが、このままでは角度が合わずクリトリスから出た尿は徳利の中には入りそうにありません。

「あぁ、ど、どなたか徳利を持って斜めに当ててもらえませんか?」

我ながら何と恥ずかしいことを言ってるのかと顔が一層紅くなります。

「俺が持ってやるよ」

一人の 若い衆がそう言って手を伸ばしてきます。

ところが、「それじゃ面白くないですな」という 相模屋さんの大きな声がしたので、すぐにその手が引っ込みました。

「どうするんですか、相模屋さん?」

お銀さんが尋ねると相模屋さんが手に箸を持ったまま立ち上がってこちらへやってきます。

「さっきは折角手を貸して上げようとしたのにあっさりと断られましたからな。何でも自力でやろうというお龍さんの意気込みに敬意を払って、ここもぜひご自分でされたらと思いましてな。ですから徳利を持つのも不要ですし、腰を支えるのも不要、ほら、手を離して」

相模屋さんに言われて私の腰を支えていた若い衆が急に手を離し、私は少しよろけたものの何とか体勢を持ち直しましたが、中腰のままでは身体がふらふらするので、膝を伸ばしてしっかりと立 つしかありません。しかしこれでは元通りクリトリスから徳利の口まで10センチ程も離れてしまいます。

「あぁぁ」

途方に暮れている私を尿意がここぞと責め立てます。

私はもう一度中腰になろうとしましたが、一瞬クリトリスを徳利の口に触れることが出来ただけで、今にも爆ぜそうな尿意を我慢しながらじっとその体勢を取ることなどとても出来ず、すぐに元の体勢に戻ってしまいました。

「あぁぁ、さ、相模屋さん。さ、さ、先ほどの事は謝りますから、どうか、どうか手を貸して下さい」

「ほほう、今度はえらく素直ですな。いつも素直だとこちらもやりやすいですな」

しかし相模屋さんはそう言っただけでただニヤニヤと笑っています。

「あぁぁ、お願いですから、相模屋さん」

「一つ条件があります」

「あぁぁ、何でも言って下さい」

「そういう風にいつも素直だといいんですがな」

「あぁぁ、これからずっと素直になりますから」

「その言葉を忘れるんじゃないですよ」

「は、はい」

「ではお聞きしますが、お龍さんは今から何本の徳利を使うつもりですかな?」

いったいどうして今更こんなことを聞くのでしょう。でも私は答えるしかありません。

「あぁ、さ、三本です」

「では、その後で何個の卵を飲み込むんですかな?」

「さ、三個です」

「よろしい。では三個飲み込んだらお龍さんの直腸の中には一体何個の卵がありますかな?」

いったいどうして、こんな小学生でも分かる事を聞くのでしょう。でも私は早く排尿をしたくて素直に答えるしかありません。

「ご、五個です」

「よろしい。では次はどうするんですか?」

「あぁ、その五個を順に産ませて頂きます」

「五個とも全部ですかな?」

「そ、そうですが……」

相模屋さんが何を聞かれているのか私には分からなくなってきました。

「五個とも産んでしまおうと」

「そ、そうです……」

それ以外に何て答えればいいのでしょう。

「そこが問題なんですな」

どうして?五個飲まされて五個産んではいけないのですか?

私は訳が分からなくなってきました。しかも尿意は一層逼迫してきて、私は足を大きく開いたままでつい腰をくねらせてしまいましたが、「色っぽいね、お龍さん!」と声が 掛かったので、慌ててじっとします。

「分かりませんか?」

「あぁ、分かりません。一体どうすれば?」

「さっき、源太さんの卵を産もうとしゃがんだ時に、何か気づきませんでしたか?」

「な、何も……」

「私は気付きましたけどね」

相模屋さんが薄気味の悪い笑みを浮かべながら私をじっと見詰めます。

あっ、もしや私が気を遣らずにしゃがんだことを言われてるのでしょうか?そしてそれは直腸の中の卵が二個になったからであることを。そしてその二個を産むのはきっと随分楽になることを。

「おや、気がついたみたいですな」

「い、いえ、何も」

「白を切っても分かりますよ、フッフッフッ。では正直に言うまで待たせてもらいましょうか」

「あぁ、そんな」

尿意は益々逼迫してくるのに、このままでは排尿を許してもらえません。しかもじっと爪先立ちを続けている所為で、脚が次第に疲れてきて今にもよろけそうです。

「あぁ、言います、言いますから」

「やっと白状する気になりましたか」

「あぁぁ、た、卵が二個になると楽にしゃがめました」

「楽にというのは?」

「き、気を遣らずに……」

「成る程、それから?」

「そ、それから、きっとその二つを産む時も楽に……」

相模屋さんがニヤニヤしながらじっと見詰めます。

「あぁぁ、産むときにも気を遣らずにできるんじゃないかと……」

「成る程ね。それで?」

「あぁ、それではきっと侘びにならないと」

「確かに。ではどうすれば?」

どうすれば?どうすればいいのですか?

あぁ、もしかして相模屋さんは直腸の中に常に三個以上入れておかせるつもりなのですか?

そうすれば、しゃがむ時も立ち上がる時はも、そしてもちろん産む時にも常に気を遣りながら。

あぁ、そんな、そんな恐ろしいこと。

「どうすればいいんですかな?」

「あぁぁ、分かりません」

「そうですか、分からないなら分かるまで待ちましょう」

「あぁぁ、許して」

「許しても何も、言わないのはそっちですからね」

そ、そんな、と言おうとした時、疲れ果てた脚が遂に悲鳴を上げ、身体がぐらりと傾きました。

「アッ」

何とか踏ん張り、危うく身体を立て直しましたが、その拍子に、熱い滴りがクリトリスから滲んだのです。

「クククククッ」

必死に尿道括約筋を引き締めると涙までが滲んできます。

「あまり我慢すると身体に毒ですよ、フッフッフッ」

「あぁ、言います、言いますから、先に徳利を当てて下さいっ!」

私は必死にお願いしますが、相模屋さんはニヤニヤと笑いながら、「それは駄目ですよ、ちゃんと言うのが先です。もし粗相でもしたら、分かってますよね」

粗相をしたらお嬢様にさせるというのです。それだけは、それだけは決して出来ません。

「ククククッ……さ、三個産んだら、また三個飲み込ませて、く、下さい!」

「ほほう、三個を産んだらまた三個飲み込みたいと?つまりお龍さんのお腹の中には常に三個以上の卵が入ってるというわけですか?」

「そ、そうです」

「どうしてそんなことを?」

あぁ、そこまで私に言わせようと……。

「そ、そうすれば、つ、常に、き、気を遣れますから」

私は自分でも何を言っているのか分からなくなっていました。兎に角、相模屋さんの言うとおりにして排尿をさせてもらわなければ、もう今にも粗相をしてしまいそうなのです。

「ほう、そんなに気を遣りたいのですか?」

「は、はいっ!」

「いいでしょう、良く言えましたな。それじゃ腰を支えてやって下さい」

若い衆が再び腰を支えて下さって、私はホッと一息着くことが出来ます。そして腰を落とそうと少し膝を曲げかけましたが、「そのまま、そのまま」と相模屋さんに言われて私は膝を伸ばしました。

緩めかけていた尿道括約筋を再び必死に締め付けます。

「お龍さん。さっきも言おうと思ったのですが、その格好で腰を落としてはあまりにも下品じゃないですか?」

相模屋さんに言われて私は改めて如何に恥知らずの格好をしようとしていたのかと一層恥ずかしくなりました。

「そんな格好をしたら折角の美貌が台無しです」

でも、どうやって排尿すれば。もう、尿意は限界です。

私は涙を滲ませながら相模屋さんを見詰めます。

「こうするんですよ」

ニヤリと笑いながら相模屋さんは持っていた箸の一本を、まるで一輪挿しのように真ん中の細首徳利に挿しました。黒い漆塗りの箸の太い端が10センチ程徳利の口から飛び出しています。

「こ、これを?」

一体、これでどうしようと言うのでしょう?

「分かりませんか?」

私は黙って首を振ります。

「お龍さんも意外に勘が鈍いですな。お龍さんの大きなお豆の目の前に箸が突っ立ってるんだから、どうすればいいか分かりそうなもんですがな、フッフッフッ」

えっ、まさか箸を伝わせて排尿を?

「分かったようですな」

「あぁ、そんな。ふ、普通にさせて下さい」

「何を贅沢言ってるんですか。じゃあその二つを産んでからにしますか?」

「あぁ、そ、それは、むり……こ、ここでさせて下さい」

「そう、最初から素直にそう言えばいいんですよ」

相模屋さんは満足したように頷きながら、黒い塗箸を立てた徳利を少しずつ私の方へ動かします。そして、ちょうど箸がクリトリスに当たって、私が「あぁ」と喘いだところで止めました。

「これでいい。やっとおしっこが出来ますな、お龍さん。でもおしとやかにしないと駄目ですよ。少しずつチョロチョロと箸を伝わせないと。少しでも零したら、その時は分かってますね。そして一杯になったら一旦止めてもらいますからね」

相模屋さんの手が徳利から離れ、ヤクザ達が一層近くに寄ってきます。

これでやっと排尿が出来ます。でも、今にも爆ぜそうな尿道括約筋を微妙に緩めて、尿を少しずつ箸を伝わせ て流すなんて出来るのでしょうか?しかも、そんな恥ずかしい芸当をするところを大勢のヤクザ達に間近で見られなければならないのです。

「あぁぁ」

その時です。「いやぁ」というお嬢様の声が聞こえて首を捻ると、二人の若い衆に左右から抱えられるようにお嬢様が連れて来られたのです。

「お京も、かぶりつきで見物させてもらうんだ」

親分さんがそう言うと、正面に陣取っていた若い衆が少し隙間を空け、お嬢様が私の真正面に座らされました。

「あぁ、お嬢様は向こうへやって」

「そう冷たいことを言うな、お龍。お前さんが少しでも零したら、このお京が身代わりになるんだから、しっかりそこで見張っててもらわないとな。お前さんも、手抜きしないでしっかりとやるんだ」

親分さんが言うと、「あぁ、いやぁ」と、お嬢様が目を瞑って顔を背けます。

「お京、ちゃんと目を開けてお龍の小便を見るんだ。お前が目を瞑ったら小便は中止だ」

「あぁぁ」とお嬢様は泣きながらこちらを向きます。

「お嬢さん、心配しないで私のそこをしっかりと見てて下さい。絶対にお嬢様には辛い思いをさせませんから」

「あぁ、お龍さん」

お嬢様が真っ赤な目をこちらに向けます。

「お嬢さん……」

私はそれだけ言うと頷き、少しずつ身体の力を抜いていきました。


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