肛宴のお龍

42.細首徳利

「あと二個だよ、お龍さん!」と誰かが言うと、皆が大笑いして座敷中がまた騒がしくなりました。

私はゆっくりと頷くと、まだぼんやりしている気持ちを奮い立たせるように、後手に縛られた裸身を真っ直ぐに伸ばし ました。何度も気を遣って少し汗ばんだ裸身が眩いばかりの照明を浴びて輝き、今にも爆ぜそうに疼く乳首を載せた豊満な乳房は一層膨らみを増したように見えます。

そう、あと二個産めば。

越後獅子の三味線と長唄に背中を押されるように、私は太腿をきつく閉じたままゆっくりと源太さんの方へ歩き始めます。

でも、この二個を産んでも、それからまた四個の卵を飲み込まされ、四人の方に跨って、四個の卵を産まなければなりません。そしてきっとさらに四個を。

しかも 今のカズヤさんの時といい、先ほどのサトシさんの時といい、一つ産むために何度気を遣ったことでしょう。しかも 最後にアヌスを通って卵が産まれる時には余りの快感に気を失ってしまったのです。そんなことをあと 10回ほども繰り返すことができるのでしょうか? 考えただけで 気が遠くなりそうです。

いえ、それまでにきっと竜也が助けに来てくれる。

私はついさっき竜也の気配を感じたことを思い出しました。サトシさんに跨って必死に息んでいた時に、ふと竜也の気配を感じたのです。 竜也が何処かすぐ近く、天井裏か床下に潜んでいると。

そう思った途端に呼吸が乱れて動き掛けていた卵が戻ってしまいましたが、確かに竜也の気配を感じたのです。

でも竜也の気配は直ぐに消えてしまいました。

気の所為だったのか。いえ、そんなはずはありません。子供の頃からずっと一緒に修行を重ねた竜也の気配を間違えるはずはありません。きっと危険を感じて、あるいは私が竜也の気配を感じるのを知っていて、私に恥ずかしい思いをさせまいと直ぐに離れたに違いありません。

でもきっとまだ庭のどこかに潜んでいるはず。

目の前の障子はピタリと閉ざされていましたが、左手の障子は片方が開け放たれています。私は源太さんに向かってゆっくりと歩を進めながら、時折嫌々をするように顔を左右に振るふりをして庭の様子を伺いました。すると確かに庭の植え込みの向こうに動く人影が見えたのでした。それも二人。

竜也です。

やっぱり助けに来てくれたのです。でも二人では到底無理。ああ、ちがう。きっと竜也は偵察に来たのです。そして仲間と一緒に戻って来てくれるのです。

竜也が来てくれたことは私に大きな希望を与えてくれました。きっと10個も産む前に、気が狂う前に助けに来てくれるはず。それまで兎に角、東組の言うとおりにしてお嬢様に危害が及ばないように、お嬢様が恥ずかしい思いをしないようにすればいいのです。その為にはまず今お腹の中にある二個を産まなければ。 少し光が見えて元気が出てきました。

しかしそのことで気持ちが緩んだのか、或は素っ裸で立っている為か、困ったことに私は少し尿意を催してきたのです。

「はぁ」と喘いで私は立ち止まりました。

そう言えばイチジク浣腸をされてヤクザ達の前で恥ずかしい排泄行為を見せた時に、排尿までしてしまってたのは随分前です。しかも その後で繰り返し大量の微温湯浣腸をされ、さらに何度かお水を飲ませて頂きましたから膀胱の中にはかなりの尿 が溜まっているはずです。

「どうしたんだい」

直ぐにお銀さんの厳しい声が掛かります。

困りました。今ここで厠へ行かせてと言っても聞いてもらえるはずはありません。兎に角、今お腹にある二個を産んでしまわないと。

「いいえ、何でもありません」と言って再び歩み始めると、程なく足が会席膳に当たりました。私はもう一度庭の様子を伺おうと、嫌々をするように顔を左右に二三度振りました。でも二人の人影はもう見えません。

きっと援軍を呼びに行ったのです。私も頑張らないと。

私は尿意を忘れようと一つ大きく息を吸うと、思い切って足を開いて源太さんの目の前に置かれた会席膳を跨ぎました。

熱く火照った会陰部を冷気が撫でると、「ハァ」と喘ぎ声が漏れてしまい、同時に熱い愛液が陰裂から滴ります。

「おっとっと」

源太さんが慌てて盃を私の陰裂に押し付けると、自分でも驚くほど大きな喘ぎ声が出てしまいました。

「……ァァアアアア」

まるで竜也を呼ぶように。

陰裂に盃を当てられただけでこんなにも感じるなんて。先程からの度重なる責めで身体中がとても敏感になっているのです。

私は目を閉じて祈ります。早く来てね、竜也。

私は歯を食いしばって呻きながら、源太さんの盃に愛液が滴りきるのを待ちます。

「クゥゥゥゥゥ」

アヌスから卵を産むという恥ずかしい行為の前の、前戯とも言える儀式なのです。

何度か呻いたり喘いだりしているうちにやっと愛液は一滴残らず落ち、源太さんが酒を少し足して一息に飲み干すと、周りのヤクザ達が喝采を送ります。 幸いなことにいつの間にか尿意は気にならなくなっていました。

前戯の儀式が終わり私は会席膳を挟んだ源太さんの脚を跨ぐように大きく脚を開いたままで歩を進め、時折後ろを振り返って小鉢の位置を確認しながら、源太さんの顔に局部を押し付けんばかりに近づくと、源太さんの下腹部の上にしゃがみました。

「アゥゥゥゥ」

喘ぎ声は漏れてしまいましたが、先ほどのように気を遣るほどではありません。きっと卵が二個しか無いからです。

直ぐに源太さんの太い腕が私を抱き寄せ、別の若い衆が私の両足を掴むと、例によって源太さんの腰に絡ませ足首を交差させると縄で縛ります。

「アァァァ」

源太さんの毛むくじゃらの下腹部の上でヌルヌルになった局部が滑り、源太さんの巨大な一物が下帯を突き上げるように私の会陰部を刺激します。

「もう要領はわかってるね。一分以内に産むんだよ。それ、イチ……ニイ……サン……」

お銀さんがそう言うと三味線の音が少し大きくなり、私は慌てて息み始めました。

「スゥゥウウ……フムゥゥゥゥウウウウゥァァアア」

しかし思いっきり力を入れた途端、尿意が再び頭をもたげてきたのです。

「ゴ……ロク……」

困りました。でも何とか息まなければ。

「スゥゥウウ……フムゥゥァァアア」

あぁ、無理。

私は思わず力を緩めてしまいました。強く息んだ事で益々尿意が逼迫してきたのです。 他の方はどうなのか分かりませんが、私は排便の時にはいつも排尿も一緒にしているので、こんなにも尿意を催した状態で、排尿を我慢しながら息むなんていうことは無理なのです。

「ハチ……クゥ……」

でもここで止めるわけにはいきません。途中で止めればどんな酷い仕打ちをされるか。何とかあと二つ産んでから厠に行かせてもらわなければ。

「スゥゥウウ……フムゥァアア」

あぁ、でもこんなに大きく脚を開かされていては、どうして尿意を我慢できましょう。力を入れれば卵よりも先に尿が漏れてしまいそうです。

でも息まないと。

「十……十一……」

「スゥゥウウ……フムゥ……アッ!」

私が小さく叫んだので源太さんが「どうしたんだい?」と顔を覗き込みます。

ブルッと裸身が震えたのにも気が付かれたでしょう。気をつけて息んだつもりなのに、力を入れた時にほんの少しですが尿が漏れてしまったのです。膨らんだ膀胱から少しだけ尿道に流れたのです。もうこれ以上は少しも息むことなど出来ません。

「十二……十三……」

「あ、ま、待って下さい」

「またかい。今度は一体何なんだよ」

お銀さんが苛立った声を上げます。

「あぁ、す、すみませんが、先に厠に……」

消え入りそうな声で私はお願いします。

「何だって?」

「か、かわやに……」

「何だって?」

お銀さんが一層苛立った声で叫んだので三味線が止まりました。

「厠へ行きたいってよぅ」

源太さんが代りに答えて下さいました。

「厠だって?卵を配ってる途中で厠へ行く仲居なんて聞いたことないよ。さっさとあと二つ配ってからにしな」

「あぁ、も、もう、漏れそうなのです。これ以上息めば、粗相をしてしまいます」

「もし粗相でもしたら、その時はお京と交代させるだけだ。だから我慢して産むんだよ」

「あぁ、それだけは。その代りに何でもしますから」

私は必死にお願いします。でも、その間にも一度掛け下りかけた尿意は益々逼迫してきて、私は源太さんの下腹部の上でもぞもぞと腰をくねらせるのです。

「俺はお龍さんの小便を掛けられたって平気だよ。卵が先に出るか小便が先に漏れてしまうか、頑張ってみたらどうだい?」

「あぁ、そんな。それだけは……」

私は嫌々と顔を左右に振って哀願します。

「まあまあ、そんなに苛めてやっちゃ可哀想じゃないですか」

いつの間にか相模屋さんが私の直ぐ横に来て顔を覗き込みます。

「ほら、顔も真っ青になって。あんまり我慢すると身体にも良くない。ここは一つ取引しませんか、お龍さん?」

相模屋さんが不気味な笑みを浮かべます。きっとまた酷いことを企んでいるに違いありません。でもその通りにするしか、卵を産む前に排尿をさせてもらうすべはないのです。

「あぁ、お願いします。何でもしますから」

「では、こういうのはどうですかな? お龍さんには小便をさせてあげましょう。でも厠には行かせませんよ。そんな時間も無いですからね。このお座敷で、そうだな細首徳利にしてもらいましょう」

相模屋さんはそう言うと隣の会席膳から空になった細首徳利を拾って私の顔に近づけました。それは口がとても狭くてそこに排尿するには私の小さなペニス 、いえ大きなクリトリスをピタリとくっつけなければなりません。

「あぁ、ふ、ふつうにさせて下さい」

「普通にさせたのでは侘びを入れさせたことになりませんからな。細首徳利が嫌なら我慢してあと二個産むことですな」

あぁ、やっぱり酷い企みでした。でも私はそうするしかありません。

「あぁ、分かりました。細首徳利にさせて下さい」

「そうでしょう、そうでしょう。まずすっきりしてからでないと卵は産めませんからな。でもその後にまだおまけがあります。小便に使った徳利の本数と同じ個数の卵を飲み込んでもら います。一本で済めば卵は一個で済むし、もし三本も使えば卵も三個飲み込まないといけない。どうです、お龍さん?」

やっと排尿させてもらえると思ったのに、その後にさらに卵を飲まないといけないとは。しかも細首徳利は小さな一合徳利のようです。一本では到底済みそうにありません。

「あぁ、先に今お腹に入ってる二個を産ませて下さい」

「それじゃ取引になりませんな。嫌ならいいんですよ、粗相すればお嬢さんに代わってもらうだけですから」

「あぁ、それは……」

「じゃあ、するんですか?」

「は、はい……」

「何をするのかちゃんと言わないと」

「お、おしっこを」

「どこにするんですか?」

「あぁ、ほ、ほ、細首徳利に」

「徳利は何本要りますかな?一本じゃ一合しか入りませんからとても足りないでしょう?」

やっぱり一合徳利です。一本ではとても足りません。

「あぁ、に、二本お願いします」

「ということはあとで卵を二個飲み込むということですな」

未だ二個入ってるというのにさらに二個飲み込まないといけないなんて。

「あぁ……」

私は何て言っていいか分からず、ただ喘ぐだけです。

「でも二本で足りますかな?足りなくなって途中で取りに行ってると、その間ずっと我慢しないといけないんですよ。粗相してしまったらお嬢様と交代です。もう一本位は用意しておい た方がいいんじゃないですか?」

あぁ、確かにこれだけ切迫した尿意では二本でも足りないかもしれません。

「あぁ、ではもう一本お願いします」

「ということは徳利が三本、つまり卵をあと三個飲み込もうというわけですな」

「あぁ、そんな」

「おや、違うんですか?」

二個入ってるところにさらに三個、つまり合計で五個も飲み込めるでしょうか。でもそうするしかありません。

「あぁ、は、はい、三本用意して下さい」

「三本で足りますか?もう一本位用意しておいた方が」

あぁ、四個は絶対に無理です。絶対に三本で止めなければ。

「あぁ、いいです、三本でいいです」

相模屋さんは満足そうに頷くと仲居に細首徳利を三本持ってくるよう命じました。そして若い衆には先程の厠から花瓶台とレンガを持ってくるように言ったのです。

「お龍さん、助かったね」

お銀さんはそう言うと若い衆に命じて足首の縄を解いて下さいました。そして二人の若い衆が両側から私を抱えるようにして立ち上がらせ ると、今まで源太さんの下腹部に押し付けられて熱く火照っていた局部を冷気が撫で、一層尿意が逼迫します。

「アゥッ」

尿意を我慢する為に脚を閉じたくても、両足は未だ源太さんの脚の外側です。大きく開いたままの太腿の間で少し綻びを見せている陰裂からは粘液の糸が二本三本とぶら下がりますが、それが少しさらさらしているように見えるのは、先程漏れてしまった尿 が混じっている所為かもしれません。

「もうそんなに濡らしてるのかい、お龍さんよ」

源太さんが局部に顔を付けんばかりに身を乗り出します。

あぁ、早く脚を閉じさせて。

しかし両方の二の腕を若い衆にがっしりと掴まれていては、私に出来ることは豊満な乳房を揺するように裸身をくねらせるだけです。

「礼儀知らずな仲居だねぇ。途中で止めるんだから一言侘びを言ったらどうなんだい?」

「あぁ、済みません、お銀さん」

「私じゃないよ、源太にだよ」

「あぁ、済みません、源太さん。厠を使ったら直ぐに戻りますから」

「厠は使えないんだよ」

お銀さんが言うと、ヤクザ達が大笑いします。

「あぁ、排尿をさせていただきましたら、直ぐに戻って産みますから」

「あいよ。待ってるから早いとこ頼むぜ、お龍さんよ」

源太さんが言うと再びヤクザ達が大笑いして、ようやく私は源太さんの前から解放されて座敷の隅に連れていかれました。そして肌襦袢を羽織らせて頂き、細紐で前も留めてもらったのです。

これで先に排尿をさせていただけます。でも厠へは行かせてもらえません。この場でヤクザ達に見られながら小さな細首徳利にするのです。


inserted by FC2 system