肛宴のお龍

37.越後獅子

私がしますと言い切ったものの、直腸の中に4個の卵を詰め込まれたままで、一体どうすれば気を遣らずに大きく息を吸えるのかお龍には見当も付かなかった。しかもお龍は後手に縛られた全裸でサトシ に跨り、胴体に巻きつけた両脚は足首で交差させられて括られていた。いわゆる対面座位という女にとっては極めて恥ずかしい格好である。

そんな格好でサトシに強く抱きしめられているので、お龍の豊満な乳房はサトシの固い胸で押し潰され、また快感に耐えかねてお龍が身体をくねらす度に先ほどから何度も溢れさせた白濁液が局部とサトシの下腹部の間でグチュグチュと音を立てるので あった。

しばらく様子を伺っていたお銀はお龍に近寄ると顔を覗き込みながら言った。

「さあ用意はいいかい?今度こそ一分以内に産むんだよ。それ、イチ……ニィ……サン」

「あっ、ま、待って下さい」

突然言われてお龍が狼狽えるが、お銀は気にする様子も無く、「シ……ゴ……ロク」と数え続けるのでお龍は慌てて息を吸い始めた。

「あぁ、スゥゥウウ」

その時である。

「御免下さい」と妙に艶のある声が入り口の方でした。

ヤクザ達が一斉にそちらを向くと、二人の美しい芸者が正座をしており、その後ろから鉄二が顔を出した。

「だれか芸者を呼んだかい?」

「それは私が」と相模屋が言いながら、親分に目配せをすると、親分が「待ってましたよ、さあこっちへ来て」と座敷の一番奥へと招き入れた。

「また中断だね、お龍さん。その間にちゃんと準備しておくんだよ」

お銀に言われると、お龍は後ろを振り向きながら「フゥー」と息を吐いた。

二人の芸者は「失礼致します」と会釈しながら座敷の中央を横切り、その際にちらりとお龍の方に目をやったが、後手に縛られた全裸の女が若い衆に跨っているところなど見慣れているのか、表情一つ変えずに一番奥まで進むと、座敷の中央を向いて座り、持ってきた三味線を取り出した。

「折角の宴会ですからな、お囃子が無いと寂しいでしょう」と相模屋が言うと、「しかもお龍というとびきりの獲物が手に入ったわけだからな、ヒッヒッヒ」と親分が応えた。

「お二人さんよ、早速で済まないが、あの素っ裸の女がお龍というんだが、あのお龍が今から卵を産むんでな、それに合わせたのを何かやってもらえんだろうか?」

相模屋が言うと、二人の芸者はしばらく顔を見合わせていたが、少し年上と見える方の芸者がこちらを向いた。

「卵産みの歌というのは存じ上げませんが、そのお龍さんとやらを応援するということでしたら、少し賑やかなところで『越後獅子』なんかは如何でしょう?」

「いいですな」

「それなら俺も聞いたことがあるな、いいんじゃないかい」

相模屋と親分が納得したので二人の芸者は『越後獅子』の調である三下りに調弦しはじめ、ベン、ベン、ベン、テン、テン、チン、チン、チンと三味線の音が響いた。

「いいねえ、俺はどういう訳かこの調弦の音が好きでね」

親分が言うと、「私もですよ。何かわくわくする気がしますからな。まして今からお龍さんが越後獅子に合わせて卵を産むんですからな、フッフッフッ」と相模屋が答えて二人はニヤリと顔を見合わせた。

二人の芸者は間もなく調弦を済ますと親分と相模屋の方を見て軽く会釈をした。

「おい、お龍。いいか、今からこのお二人が越後獅子を演ってくださるから、それに合わせて産むんだぞ」

親分がお龍に向かってそう言うと、お龍は声もなく顔を左右に振った。

そんなお龍を見て満足そうにニヤリと笑った親分が芸者の方を見て頷くと、 二人の芸者も黙って頷き、トテテテチン、トテテテチンと前奏を弾き出した。

「お龍さん、用意はいいかい?長唄が始まったら時間を測り始めるからね」

お銀が懐中時計を見ながら言うと、お龍は「は、はぃ」と答えてから「フゥ、フゥ」と小さく息を整えた。

軽やかな前奏が終わりに近づき、トンテン・テテントテンと三味線が鳴ってから一呼吸おいて甲高い声の長唄が始まった。

「打つや太鼓の……」

「ほら、産むんだよ!イチ、ニィ、サン」

お銀が長唄の邪魔にならないようにと小さな声で数え始めた。


芸者さんが入って来られたので卵産みは一時中断されましたが、直腸内に4個もの卵を詰め込まれたままで、前立腺や精嚢を刺激せずにどうやって深く息を吸い込めばいいのか 見当もつきません。しかも今から私が死に物狂いで卵を産もうというのに、それに長唄の伴奏を付けるというではありませんか。

一つの卵をアヌスから産むだけでも気を遣ってしまったのに、4個もの卵を詰め込まれた私は深く息を吸うだけでも気を遣ってしまい、息むことすらできなかったのです。

しかし卵を産む以外にお嬢様を助け出すことが出来ない私に出来ることは、何度気を遣ろうとも深く息を吸い続け、泣き叫びながらでも思いっきり息んで卵を産むことしかないのです。それなのに東組のヤクザ達はそんな私の行為にお囃子を付けて見世物にしようというのです。

今から私が自らの肉体に課することを考えるだけで後手に括られた裸身が震え、クリトリスからは熱いものが込み上げてきます。『イヤ、イヤ』と言う声は声にはならず、私は力なく首を左右に振ることしかできません。

そしてとうとう、トテテテチン、トテテテチン、と前奏が始まってしまいました。越後獅子は私も好きな長唄です。三味線は弾けませんが、歌を口ずさむことができるくらい何度も聞いたことがあります。そんな越後獅子に合わせてアヌスから卵を産むなんて……。

ああ、こんな恐ろしいことが現実であるはずはありません。きっと夢に違いありません。そういえば三味線の音も随分遠ざかり、辛うじてトテテテチンと鳴っているのが聞き取れるほどです。ああ、やっぱりこれは夢なのですね。

しかし突然お銀さんの声がして私は現実に引きずり戻されました。

「長唄が始まったら時間を測り始めるからね」

「は、はい」

反射的にそう答えましたが、いったいどうすればこんな状況で卵を産めるのか、私にはまだ見当もついていないのです。でもとにかく深く息を吸わなければと、私は「フゥ、フゥ」と息を整えます。

さっきまでは遠くに聞こえていた三味線の音も、今は背中の直ぐ後ろで鳴っているようにはっきりと聞こえます。

あぁ、もうすぐ前奏が終わってしまいます。長唄が始まったら深く息を吸わなければ。でもそうすれば前立腺や精嚢が泣き出すのです。

あぁ、私はどうすれば。

でも越後獅子は私を待ってくれるはずもなく、最後に小気味よくトンテン・テテントテンと鳴ると前奏が終わりました。

あぁ、始まってしまう。頭の中でよく知っている冒頭の一節が鳴り始めます。

『打つや太鼓の……』

そして一呼吸おいて芸者さん達の良く通る声が響きました。

「打つや太鼓の音(ね)もすみわたり……」

「ほら、産むんだよ!イチ、ニイ、サン……」

お銀さんが耳元で囁くように数え始めます。

あぁ、吸わなければ。でも吸えば前立腺や精嚢が泣き出すのです。でも、それでも吸うしかありません。

私は恐る恐る息を吸い始めました。

「スゥゥウウ……ァァアアアア」

あぁ、やっぱり前立腺が、そして精嚢が泣き出します。

でもここで止めては息むことなど到底できません。

「もっと強く抱いて!」

私は恥ずかしさをかなぐり捨てて、サトシさんの耳元で哀願しました。

「もちろんだ。これでどうだい、お龍さんよ」

サトシさんの腕にグイッと力が入ると乳房が潰れ、濡れた局部がサトシさんの下腹部を滑りながら身体が少し持ち上がります。

「アァァァァ……」

私は首を左右に振りながら歯を食い縛ってもう一度息を吸い込みます。

「スゥゥウウゥゥゥァアアアァァァィィィイイイ」

深く息を吸えば吸うほど、直腸奥の二つの官能器官を絶頂に追い立てることが分かっているのに、私は吸わなければならないのです。

「スゥゥウウゥゥゥァアアア、スゥゥウウゥゥゥァィィィイイイ」

遂に二つの官能器官が泣き叫びながら痙攣を始めます。

私はもはや息を吸うことも吐くことも出来ず、後ろ手に縛られた裸身が勝手にガクガクと震えます。

あぁ、気を遣ってしまう。

でも、駄目。駄目よ、今ここで息むのよ!

「クククゥゥゥゥ……」と呻きながら、私は全身の力をアヌスに集中します。

「……ゥゥムムムゥゥゥ」

あぁ、しっかりと息むことが出来ました。そして直腸がはっきりと卵を捉えたのです。4つも飲み込まされたので、一番最後の卵はきっとまだアヌスの直ぐ内側にあるのでしょう。

でも同時に、気を遣ったことも間違いなく、骨盤の奥から熱いものが流れてきてクリトリスから溢れサトシさんの下腹部を濡らします。

「アァァ、アァァ」

裸身がブルブルっと震え、遠くで越後獅子の間奏の三味線が鳴っています。

あぁ、もっと、もっと息まないと。

私は再び大きく息を吸い始めました。

まだ絶頂にあった二つの官能器官は直ちに泣き叫び、再び痙攣を始めます。

「スゥゥウウゥゥゥァアアアァァァィィィイイイヤァァァ……」

それでも私はガクガクと裸身を震わせながら全身の力をアヌスに集中し、再び気を遣りながら息むことが出来たのです。

「ククククッ……ゥゥゥムムムゥゥゥ」

あぁ、アヌスが開きます。そしてアヌス快感が沸き起こってきます。

「……ゥゥゥァァァアアアア」

しかし次の瞬間、私は直腸の奥にまた別の得も言われぬ快感を感じて、思わず息むのを止めてしまったのです。

「アゥゥゥ」

こ、これは。

そして一瞬おいて、今度ははっきりまぎれも無く前立腺と精嚢を快感が襲ったのです。

「イヤァァァアアアアア」

私は叫びながら後手に縛られた裸身をガクガクと震わせ、熱いものがドクンドクンとクリトリスから溢れました。 それと同時に開きかけていたアヌスは再びピタリと口を閉ざし、アヌス快感もフッと消えてしまいました。

「アァァ、アァァ」

私は何も言えずに、ただ首を左右に振ります。

「どうしたんだい?」

私を抱く力を弱めてサトシさんが尋ねます。

「アァァァ、イヤァ」

折角気を遣りながら息むことが出来たと思ったのに、今のはいったい何なの?

私は何も言えずにただ首を左右に振りました。

遠くの方では越後獅子の間奏が終わり、次の一節が始まります。

「角兵衛 角兵衛と招かれて……」

そして三味線の伴奏に合わせるように、熱いものが骨盤の奥からドクンドクンと流れ、クリトリスの先から溢れだしたのです。


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