肛宴のお龍

27.飲卵(いんらん) 

「さあ、そこに仰向けになって」

座敷中に響くお銀さんの声で私は現実に引き戻されました。目の前に山のように積まれた大きな卵を、今から直腸に挿入されるのです。

お銀さんは笊の中に置かれた菜種油の壺に人差し指と中指、それに薬指を揃えて入れ、しばらくかき回してから指を抜くと私に見せつけるように差し出しました。

「あぁ、仰向けじゃなくて、このままで入れて下さい」

私はそう言ってお尻を少し浮かせました。

「お前さん、卵を飲み込んだことはあるのかい?」

「そ、そんなこと、したことは」

「そうだろう。だったら無理だよ。私は何人もの女郎に飲ませたことがあるけど、最初から簡単に飲み込んだ女郎は一人もいないよ。みんな最初は仰向けにしてやらないと。それにあまり時間を掛けてると固形物が下りてきて、また浣腸をお願いしないといけなくなるんだよ。それでもいいのか い?」

ああ、大量浣腸だけは二度と嫌です。便意に苦悶する身体をヤクザ達に弄られて、しかもアヌスを覗きこまれながら排泄しないといけないのですから。しかし仰向きになって卵をアヌスに挿入されるのも……。

でも躊躇している暇はありません。お銀さんの言うとおり、時間が経てば経つほど腸の奥の方から固形物が下りてくるでしょう。恥ずかしい姿を我慢して早く卵を入れてもらわなければ。

「わ、分かりました」

私は小さな声でそう言うと、肌襦袢の裾を太腿で挟んだままお銀さんの前に仰向けになり、そのまま両膝を胸に着くほどに曲げました。

腰の物を着けていないお尻がスースーします。お銀さんの目にはきっとアヌスがはっきりと見えていることでしょう。

「ようし、それでいい。じっとしてるんだよ」

先ほどの相模屋さんのように大きく脚を開かせられると思っていた私は、お銀さんの心使いに再び感謝しました。

一体何が始まるのかと、ヤクザ達がぞろぞろと周りに寄ってきますが、上半身は肌襦袢で覆われていることと、座敷の入り口辺りが少し薄暗いことが少しは救いです。

お銀さんは周りをぐるりと見渡すと、尻たぶを少しくつろげてから菜種油のたっぷり載った指をアヌスに触れました。

「ひぃ」

「さっき散々弄らせてたくせに、大袈裟なんだよ」

厳しい言葉はやはりお銀さんです。そしてお銀さんの指が円を描くようにアヌスの周りを弄ります。

「いやぁ」

「相模屋さんの指はおねだりしてたのに、私のは嫌だというの」

「あぁ、いいえ」

その言葉が嘘でないことを証明するように、お銀さんが中指を突き立てると、私のアヌスは自然に口を緩め、まるで愛する人の指を迎えるように、お銀さんの指を飲み込んでいきます。

「あぁぁ」

「ほらほら、2本目も軽いね。私の指は細いからね。3本はどうかしらね。卵を飲み込む為にはこれ位は開いておかないとね」

そう言うとお銀さんは一旦二本の指を抜き、改めて三本の指をまとめて私のアヌスに突き立ててきます。

「おぅぅ」

三本の指先が入ったところでお銀さんは一息つき、「力を抜いて」と言うと三本の指をさらに奥へと押し進めます。

「いやぁ」

張形ではもちろん、先程からの後門弄りでも経験したことがないほどにアヌスが拡げられ、クリトリスの中を熱いものが流れたと思ったら、「濡らしてやがるぜ」と若い衆の声がしました。

あぁ、脚を閉じていても、陰裂から愛液が流れるのは見えているのです。

「根元まで入れてやるよ!」

お銀さんの言葉が終わらないうちに、アヌスはさらに拡げられ、裸身がブルっと震えます。

「相変わらず後門を弄られるのが好きだね」

お銀さんはそう言いながら、私のアヌスの奥深くへ挿入した三本の指をゆっくりと回転させます。

「あぁ、好きだなんて、いやです、あぁぁ、いやぁ、ああぁ」

「ほらほら、誤魔化そうったって、身体は正直だよ。 陰核からはひっきりなしに愛液を漏らしてるじゃないか。さあ、次は後門を開く練習だよ。 卵を飲み込む為にはウンチをする時みたいに、息んで後門を開かないといけないんだよ」

ウンチをする。

なんて恐ろしい、しかし甘美な言葉なのでしょう。卵を産むためには、『ウンチをする』のと同じ行為をしなければならないのは承知していましたが、卵を飲み込むためにもウンチをしなければならないのですね。

お銀さんは一旦三本の指を抜くと、そろえて私のアヌスに触れさせます。

「ほら、息むんだよ」

そんなことを言われても、仰向けになって大勢に覗きこまれているのに、ウンチをする時のように息むなんてできるはずがありません。

「あぁ、できません」

「息んで後門を開けないと卵は絶対飲み込めないよ。それにさっさとしないと固形物が下りてくるよ」

そうなのです、早くしないと、もっと恥ずかしい目に。

「あぁ、します、息みます」

私はそう言うと、どなたとも視線を合わせないように顔を左右に振りながら「フムゥ」と息みました。

「そう、その調子、後門が開いてきたよ。もっと息んでみな」

お銀さんは三本の指を少し挿入したところで一旦止めてから、私のアヌスの開き具合を確認するように、少し抜いてはまた少し挿入するということを繰り返しました。

「あぁ、あぁぁ、フムゥゥゥゥ、フムゥゥゥゥウウウ」

少し開いたアヌスの内側を弄られるのは堪りません。私は大きな喘ぎ声を上げながら、さらに強く息んでアヌスを開きます。

「そろそろ準備はよさそうだね。じゃあ卵を入れてやるよ」

お銀さんは一旦三本の指を抜くと、生卵を一つ手に取り、それにも菜種油をたっぷりと塗りました。

「さあ、いよいよ卵だよ。これは親分さんの分だから、しっかりと飲み込むんだ」

そう言うとお銀さんは、大きな卵を私のアヌスに押し付けます。

「あぁっ」

冷たい卵を押し付けられて、アヌスがキュッと収縮してしまいます。

「窄めちゃ駄目じゃないか。さっきみたいに息むんだよ」

「アァァ……フムゥゥゥゥ」

私は気を取り直して息みますが、卵は三本の指とは比べ物にならない大きさです。

「あぁぁ、大きいです」

「もっと息むんだよ」

お銀さんは卵をゆっくりと回転させながら押し付けてきます。

「フムゥゥゥゥゥ。あぁ、大きすぎます」

「大丈夫だよ。そのまま息み続けてれば」

お銀さんは一層強く卵を押し付け、私も必死で息みます。

「ムゥゥゥウウウ、フームゥゥゥウウウ」

僅かですが、アヌスがほころび始めました。卵の先が少しだけめり込んだ気がします。

「ああ、ああ、ああぁぁぁぁ、ムゥゥゥウウウ、フームゥゥゥウウウ」

「少し入ったよ。その調子だ」

お銀さんはさらに強く卵を押し付け、私も歯を食いしばりながら思いっきり息みました。

「ムゥゥゥウウウ、フームゥゥゥウウウ」

ああ、卵が、卵がアヌスを押し拡げて入ってきます。

「フームゥゥゥウウウ」

あぁ、アヌスが拡がります。もう、三本の指どころではありません。

そ、そんなに拡がっては。

でも卵はもっと大きいのです。

あぁ、まだ、拡がるの、あぁ、まだなの。

「フームゥゥゥウウウ」

そ、そんなに拡がっては、ア、アヌスが裂ける!

「イィーーーイヤァァァァァ!」

次の瞬間、卵は狭いアヌスのトンネルを一気に通過し、私に今まで経験したことのない凄まじい背徳の快感を浴びせて直腸内に納まりました。

「くぅぅぅぅぅ」

あまりの快感に私は呻きながらブルブルブルっと身体を震わせ、思わず横向きになってしまいましたが、クリトリスからも熱いものが流れたのをはっきりと感じました。

「ほら飲み込めただろう。最初は親分さんだよ。はい立って」

お銀さんが未だ快感の余韻に呆然としている私の肩を抱くように起こすと、若い衆が二人がかりで私を立たせ、まだふらついている身体を両側から支えながらゆっくりと座敷の中央の方へ向け ました。

静かに顔を上げると床の間を背にどかっと座っている親分さんと視線が合いました。

親分さんの卵。

「アァァ」

私は慌てて目を逸らしました。今から親分さんの前まで行って、この卵を産む、つまり卵のウンチをしなければならないのです。

先ほど頭では理解したつもりでしたが、実際に直腸に卵を押し込まれ、今からそれを私の意志で排便するのかと思うと脚が竦み、身体が震えます。

普段でも滅多に公衆便所で排便したことなどありません。仕方なく公衆便所を使う時でも、隣の個室にどなたかが居られれば恥ずかしくてとても息むことなど出来ませんし、まして恥ずかしい音を聞かれることなどとても耐えられませんから、その方が出て行かれるまでじっと大人しく待っています。

それなのにそんな行為を明るい座敷でするなんて。

唯一の救いは肌襦袢を羽織っていること。恥ずかしさに紅潮する顔はじっくりと見られるでしょうが、それさえ我慢すれば。

でも排便する時に恥ずかしい音を立ててしまえば、それを防ぐ手立てはありません。座敷中にその音は響き渡るかもしれません。

あぁ、そんな恥ずかしいこと。

私が突っ立ったまま躊躇していると、お銀さんの手が肌襦袢の前に伸びてきました。

そして、みるみるうちに細紐を解いてしまうと、肌襦袢の前が開いて胸の谷間や太腿が露わになります。

「いやぁ」

小さく喘いで少し前かがみになろうとした時、誰かがドンと私の背中を押しました。

「あっ」

思わず転びそうになりましたが、両足は30センチ程の縄で繋がれていますので大きく足を踏み出すことはできず、私は後手に縛られた両手を動かし、身体をくねらせてバランスを取りながら 小刻みに何歩かたたらを踏みます。

すると当然のことながら、紐を解かれて肩に引っかかっていただけの、肌襦袢が少しずつ滑り落ちてくるのです。

「いやぁ」

しかし転びそうな私はその場に留まることは出来ません。そして、さらに何歩か進んでやっと体勢を立て直した時には、私は一糸まとわぬ全裸になっていたのです。

「ヒィィィィ!」

必死に踏ん張って開いてしまった太腿を慌てて閉じ、ブルンと揺れる乳房を何とか隠そうと裸身を捩りながら、私はその場にしゃがみ込みます。

「立つんだよ!」

お銀さんの厳しい声が後ろですると、後手を縛った縄がグイと引き上げられ、私はイヤイヤと顔を左右に振りながらその場に立たされます。揺れる乳房は隠しようもありませんが、少しでも局部を隠そうと右膝を軽く曲げて太腿をピタリと閉ざします。

「イヤァ」

少し薄暗かった入り口付近とは違い、座敷の中央はいくつもの灯りが輝いています。突然肌襦袢を剥がされて広い座敷の中央に追いやられただけでなく、大きな生卵をアヌスに挿入されるという異常な快感で上気した顔やうっすらと紅潮した全裸を、眩しい程の照明の下に晒さねばならない恥ずかしさに私は立ちすくみました。

「アァァァ」

やくざ達の視線が一斉に私の裸身に突き刺さります。みるみる顔が紅潮し、視線を避けて俯くと、必死に合わせた太腿から腹部さらには乳房までが桃色に染まっています。

「じっと突っ立って、いつまでも素っ裸を晒したいのかい?」

お銀さんに揶揄された私は嫌々と首を振ります。

「じゃあ、親分さんの前まで進むんだよ」

ああ、全裸のままで親分さんの前で卵のウンチを排便するのです。肌襦袢で裸身を隠すことは許されなかったのです。

そんな恥ずかしいこと……。

私が躊躇しているとお銀さんが背中をトンと軽く押し、私は顔を上げて親分さんの方に目を向けると、縄で繋がれた両足を少しずつ動かして歩を進めます。

やくざ達の視線は舐めるように豊満な乳房や無毛の局部を這いまわり、時折耐えられずに立ち止まると、その度にお銀さんに、「ほらほら、止まらずに」と背中を押され、とうとう親分さんの目の前に後ろ手に縛られた全裸を晒したのです。

「それにしても、つばめ返しのお龍がふたなりの上にパイパンだったとは、俺も長い人生でこれほど腰を抜かしたのは始めてだよ」

親分さんが局部を注視しながら声を張り上げると万座がどよめきます。

「いやぁ、私も色んな面白いものを見てきましたが、これ程のものは初めてですよ」

相模屋さんが親分さんに酒を注ぎながら言います。

「さあ、お龍さん、親分さんの前にしゃがむんだよ!」

ああ、ここでしゃがんで卵のウンチをしなければならないのです。

お銀さんに背を押された私は、一つ深呼吸をすると両膝をきつく揃えたまま会席膳の手前にしゃがみました。

「そこじゃないよ、その小鉢の中に産むんだから、もっと前にしゃがまないと」

お銀さんは会席膳の中央に置かれた青磁の小鉢を指さし、後手を縛った縄を引くと私を立たせます。しかし、私は小鉢をじっと見つめたまま立ちすくみました。中央に置かれた小鉢の中に産むためには……。

「もっと前だよ」とお銀さんが私の背中をトンと押しました。

「アァ」

太腿を閉じたまま両足を精一杯拡げると、ぎりぎりで会席膳を跨げますが、足を括っている縄が膳の脚に引っかかってそれ以上は進めません。すると親分さんが膳を持ち上げ、お銀さんがさらに背中を押すので、私は両足を括った縄を膳の下にくぐらせるように 会席膳を挟んで立ちました。

親分さんが膳の上に乗っていた銚子を取り上げます。

「酒を倒しちゃいけないからね」

「そこでしゃがむんだよ!」

「ああ、そんな」

もう既に親分さんの目と鼻の先に全裸を晒しているというのに、ここでしゃがんで卵のウンチをしなければならないなんて。

躊躇していると、親分さんが座敷の隅の格子戸の方に視線を向けます。

「お前さんが出来ないのなら、お京にさせるしかないな」


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