肛宴のお龍

25.肉の苦悶

「15分経ちましたよ」

懐中時計を見ながら相模屋が言った。

「あぁ、は、はやく、か、厠へ」

額に汗を滲ませた蒼白な顔のお龍が声を震わせながらお銀に訴えた。

「さすがにつばめ返しのお龍さんだ、よく頑張ったね」

お銀はゆっくりと立ち上がりながらお龍に微笑むと、まずテグスにぶら下がった4個の錘を取り外し、それから慎重にテグスを滑車から外した。

「さあ、これで安心して起き上がれるよ」

錘を外したテグスの端を持ったお銀がそう言うと、お龍は開脚のまま胸に着くほど曲げていた膝をゆっくりと伸ばし、長い間蹂躙され続けた陰核をいたわるように太腿をピタリと閉じた。散々ヤクザ達の視線を浴び続けた陰裂はやっと見えなくなったが、ピタリと閉じた肉感的な太腿の付け根からは依然としてテグスが伸びていて、お銀がその端を握っているのである。

「ゆっくりと起き上がらないと、粗相をしちゃうからね」

またも優しい声を掛けながら、お銀はお龍の首の下に手を差し入れてゆっくりと起き上がらせたが、上体を起こしたことで再び急激な便意を催したお龍は、花台の上で身体をくねらせながら呻くのであった。

「肌襦袢を汚さないように脱がしてやるからじっとしてるんだよ」

お銀が目配せをすると若い衆がお龍の後手の縄を一旦外し、二の腕の辺りに絡まっていた肌襦袢を脱がせてから、もう一度両手を後手に縛り直したが、その間お龍は汗ばんだ身体を震わせながら何も抵抗をせず、上体を起こしたまま太腿をピタリと閉じて、限界に達した便意を耐えていた。大きく前を拡げられていたとは言え、一応は身に着けていた肌襦袢を脱がされて、お龍が身に着けているのは白足袋だけになった。

「じゃあ、下りていいよ」

そう言われても、少しでも身体を動かせば一層便意が激しくなりそうで、お龍は身動きもできずに花台の上で裸身を震わせていた。

「手を貸してやりな」

お銀が再び若い衆達に目配せをすると、お龍の裸身に触れる機会とばかりに二三人の若い衆がお龍の身体に群がった。

「あぁ、ゆ、ゆっくりして」

お龍が弱々しく喘ぐと、一人がお龍のピタリと揃えた両脚を優しく抱え、あとの二人が両側から腰を抱くように、そろりとお龍の裸身を抱え上げて花台から下ろした。

「あ、ありがとうございます」

畳の上にへっぴり腰で立ったお龍であったが、「あぁ」と喘ぐとその場にしゃがみこんだ。

「お、お銀さん、お、おまるを!」

額に汗を滲ませたお龍がお銀を見上げながら言った。

「そんなものは無いんだよ。さっさと立って厠へ行くんだよ」

お銀はそう言うと、手に持ったテグスを引いた。

「ヒィッ」とお龍が悲鳴を上げ、よろよろと立ち上がった。

「さあ、行くよ」

お銀がテグスを持ったまま先に立って歩くと、お龍が中腰でよろよろと着いて行った。必死に便意を耐えるために太腿をピタリと閉じたままへっぴり腰で歩いているので、形の良い美尻が一層強調されて、後ろから着いて来るヤクザ達の視線を楽しませた。

何度か廊下を曲がってお龍が連れて来られたのは、先ほど恥ずかしい排尿をさせられた倉庫である。

「あぁ、ここは嫌!」

「嫌と言ったって、お前さんに使わせる厠はここしかないんだよ」

お銀はそう言うと、天井から下がった首縄をお龍の首に掛けた。

花瓶台の上には先程の細長い花瓶に代わって、少し背の低い口の大きな花瓶が置かれた。

「お龍さん、さあ、どうぞ」

テグスを緩めてお銀が言うと、お龍の後ろからぞろぞろとついてきたヤクザ達がニヤニヤと笑いながら花瓶台の向こう側に並んだ。

「あぁぁ」

喘ぎながら首を左右に振ったお龍であったが、今にも駆け下ろうとする便意は、それ以上躊躇することを許さなかった。

「ククククク」と呻きながらお龍はピタリと閉じた脚を少しずつ前に進めた。

「もう少しだよ、お龍さん」

「漏らすんじゃないよ」

若い衆の揶揄する声を受けながら、やっと花瓶台の前まで辿り着いたお龍は、そこで立ち止まってしまった。花瓶台の左右に三段ずつ積まれたレンガに両足を載せるためには、否応無く脚を大きく開かねばならず、そうすればとっくに限界を超えている便意を耐えることなど不可能であろう。

「どうしたお龍さん。男勝りのお龍さんが垂れ流すところをばっちり見てやるぜ」

いつの間にかお龍の後ろ側もヤクザ達が取り囲んでいた。

「そ、そんなに見たいのなら、見せてやるよ」

お龍は周りを取り囲んだヤクザ達を睨み返すと、ピタリと閉じていた太腿を少しずつずらしながら右足を高く上げて、三段に積まれたレンガの上に爪先を載せた。そして 大きく脚を開くと左側のレンガの上に左足の爪先を載せた。

オォッとどよめきながらヤクザ達が一層お龍の近くに寄って来ると同時に、限界を超えた便意が駆け下り、暖かいものが後門から太腿の内側へと一筋流れた。

「クックックッ」と呻きながら、お龍は花瓶の上に尻を載せようとしたが、その時、首縄が強く引かれてお龍の尻は花瓶の口から離れた。

「あぁぁ、止めて」

「中腰のままでするんだよ。立ち小便をやった程の男勝りのお龍さんだ、大きい方も座ってなんかさせないよ」

お銀が言うと、ヤクザ達が歓声を上げたが、若い衆の一人が「先走り汁を漏らしてやがる!」と、叫んだ。

「ほほう、どれどれ」と相模屋がお龍の股間を覗きこんだ。

「おお、これはこれは。お龍さんは浣腸で感じるようですな」と相模屋が嬉しそうな声を上げると、お銀や親分も覗きこんだ。

「まあ、はしたないわね」

お銀が言うのも無理もなかった。テグスで引かれて僅かに陰裂から顔を覗かせている陰核から、透明な粘液が二本、三本と垂れて太腿にまとわりついていたのである。

愛液を漏らしていることを揶揄されながらも、 「クックック」と歯を食いしばって最後の抵抗を示していたお龍だったが、グリセリン液のもたらす生理現象には叶わなかった。

首縄に吊られた首を僅かに左右に振ると、「あぁぁ、駄目、見ないで、あぁ、見ないで」と喘ぎながらとうとう排便を始めたのである。

その瞬間、さっきまで賑やかだったヤクザ達は静まり返ってお龍の全身を見つめた。後ろ側に陣取った者達は当然のことながら、美尻の割れ目の間から覗く後門が盛り上がり、大きく口を開いてその中から黄金色の塊を吐き出す瞬間を息を詰めて見ていたし、前側に陣取った者達はその瞬間にお龍が見せた、極限の羞恥にさいなまれる表情に息を呑んだ。 そしてお龍の股間を見つめていた者達は、テグスで引かれた陰核から透明な粘液がドクンドクンと吐き出され、太腿に絡みつく糸が一段と太くなったことに驚嘆の声を上げた。

先ほど『そんなに見たいのなら見せてやるよ』と啖呵を切ったつばめ返しのお龍はもうそこにはいなかった。

そこにいたのは、ヤクザ達に周りを取り囲まれ、首縄で中腰に吊られたままの格好で、「見ないで、見ないで」と泣きじゃくりながら、二つ三つと黄金色の塊を身体から吐き出している、か弱い女であった。

「あぁ、いやぁ」

一段と大きく啼くと、お龍は何と小便まで初めてしまった。

「おやまあ、もう恥も外聞もないね」

お銀が言うと、静まり返っていたヤクザ達がドッと湧いたが、お龍は首を振ることもできずに、ただ「あぁ、あぁ」と喘ぎながら、ジョロジョロと小便を垂らすのであった。

やっと排尿を終えたお龍は泣き腫らした顔でお銀を見ると、「お、終わりました」と言って足を下ろそうとしたが、「未だだよ」とお銀が言うと、首縄が強く引かれた。

「花瓶の中身を捨ててきておくれ」

お銀はそう言うと、テグスを再びキュッと引いた。

「ヒィ」とお龍が悲鳴を上げた。

「もう少し綺麗にしておかないと後で困るんだよ」

「そういう事だ、お龍」

親分がそう言いながらお龍の目の前に差し出したのは巨大な注射器のようなものである。

「な、何を今更しようというのです」

「さすがのお龍もこれは知らないようだな」

「それはもしかしてガラス製浣腸器とか言うものですか?」

相模屋が目を丸くして寄ってきた。

「噂には聞いたことありましたが、実物にお目にかかるのは初めてです。それにしても大きいですな」

「これは独逸製とかで、1リットル入るんだ。これでお龍の腹の中を綺麗にしてやろうというわけだ」

「か、浣腸ならたった今、していただきましたから」

お龍は1リットルも入るという巨大な浣腸器が自分に使われると知ってうろたえた。

「お龍さん、心配しなくてもグリセリン液はもう入れないから。ただの微温湯で綺麗にするだけだ。さあ、じっとしてるんだよ」

お銀はテグスをピンと張ると、「さあ、親分さん、たっぷりと入れてやって下さい」と言った。

「ゆっくりと入れてやるから、全部飲み込むんだぞ」

親分はそう言うと、浣腸器の先の太いノズルに菜種油を塗ってからお龍の後門に挿しこんだ。

「いやぁ」

お龍は喘いだが、陰核に結び付けられているテグスを引かれていては、腰をくねらすこともできない。

「さあ、入れるぞ」

親分はゆっくりとピストンを押し込んでいった。

「あぁ、いやぁ、あぁ、いやぁ」

レンガの上に爪先立ちになって首縄で天井から吊られ、陰核をテグスで引かれているお龍にできることは後手に縛られた両手を握ったり開いたりすることだけであった。

「おおぉ、どんどん入るぞ、もう500ccも入った」

親分の喜ぶ声と対照的に、お龍は「ムムムム」と苦悶の呻きを漏らすのだった。いつもは平らな腹部がまるで妊娠初期のようにぷっくりと膨れている。そして、700ccを超えると、さすがにそれ以上は入らなくなり、無理に押し込んでもノズルと後門の間からチョロチョロと漏れるだけであった。

「一回目はこれ位でいいだろう。さっきの花瓶はどこだ?」

「ここに」

若い衆が中身を捨てた花瓶を掲げた。

「すすいできただろうな」

「も、もちろんです。もう、臭いも残ってません」

「よし。じゃあお龍を一度下ろしてやれ」

首縄とテグスが緩められ、若い衆が二人で両側からお龍の身体を支えながら三段のレンガから下ろした。

「花瓶は台の上に戻しておくれ。今度は5分は我慢してもらうよ、お龍さん。大きなのはもう出たと思うけど、小さな固形物が出る限り何度でもするからね。その為にはできるだけ長く我慢した方が早く済むんだよ。それから、じっとしてるよりは、歩きまわった方が微温湯が腸の中を動きまわるから余計に綺麗になるんだよ。さあ、こっちへ来な」

お銀はテグスを引くと花瓶台の周りをゆっくりと回り始め、長く伸びた首縄を付けたままのお龍が後を追った。

「あぁ、そんなに早く歩かないで下さい」

700ccもの微温湯を注入されたお龍は太腿をピタリと閉じたへっぴり腰でよろよろと着いて行く。微温湯はグリセリンのような急激な便意こそ引き起こさないものの、700ccという大量を注入されれば、それだけで後門が爆ぜそうになっているのである。

「そんなにゆっくり歩いていたら、若い衆達にいたずらされるよ」

お銀が言い終わらないうちに、ヤクザ達の手が次々とお龍の身体に伸びてきた。汗ばんだ乳房に、膨らんだ腹部に、そしてまるで触って下さいと誘っているようなへっぴり腰の尻にも。

「あぁ、駄目、今は触らないで」

「お前さんにそんなことを言う資格はないんだよ。それに触ってもらった方が気が紛れていいと思うんだけどね」

お銀の言葉に気をよくしたヤクザ達は一層大胆にお龍の身体を触り始め、その為にしばしばお龍は立ち止まらねばならないほどであったが、そんなお龍をお銀は振り向いて満足そうに眺めるのであった。


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