肛宴のお龍

17.相模屋の陰謀

私は自分の身体に起こったことが信じられませんでした。いつもは張形でアヌスを弄って良い気持ちになり、身体がブルブルっと震えるだけで満足していましたから。

気を遣るというのはそんなものではなく、声が出たり身体が硬直したりする方がおられるということは話には聞いていました。しかし、いま私の身体に起こったことはそんな想像を遥かに凌駕する凄まじいものでした。

「アァ」

再び身体がビクンビクンと震えて喘ぎ声が出てしまいます。そして気がつくとアヌスは未だ相模屋さんの指をしっかりと咥えています。

「ハァァ」

この指でされたのです。こんな男の指で。

こんな風に私の身体が反応するのなら、竜也の指でされたかった。そして竜也に絶頂に達した身体を抱きしめて欲しかった。

また涙が滲んできます。

それなのに、今の私は絶頂に達した身体を、そして恥ずかしさに耐えている顔を、こんなヤクザ達の慰みものにされているのです。

「そろそろ指を放してもらえませんかな、お龍さん、フッフッフッ」

相模屋さんが淫靡な笑いを上げ、周りのヤクザ達も笑います。

「アァ」

また身体がビクンビクンと震えてしまい、その度にアヌスが相模屋さんの指をギュッギュッと喰い締めます。

「おお、おお、いつまでも放したくない気持ちもわかるが、そろそろ次に進まないと」

相模屋さんが笑いながら指をゆっくりと抜くと、私はまた「ああぁ」と喘いでしまいました。

「射精はしなかったのかい?」

お銀さんに言われて始めて気づきましたが、その瞬間も射精の気配すら起きなかったのです。まるで本当の女性のように気を遣ったのです。

「どれどれ、確かめてみましょう。お龍さん、もう一度仰向きになって脚を開きなさい」

相模屋さんに言われても、絶頂を極めた直後の恥ずかしい身体を仰向きにするなんて出来ません。

「お京と交替するかい?」

「あぁ、それは」

私は両膝を固く閉じて曲げたまま、まだ紅潮している身体を上に向けました。 汗ばんだ乳房が揺れ、固く尖った乳首がピンと上を向いています。 しかし、顔を上に向けた途端に沢山の視線と目があってしまい、私は顔をまた横に向けてしまいました。

「あぁ」

「脚を開いて肝心のところを見せないと。それに顔もだよ、お龍さん」

「あぁ」

「お京と交替・・・」

「あぁ、わ、分かりました」

私は 歯を食いしばって上を向きます。何人ものヤクザ達が覗きこんでいて、思わず目を瞑ってしまうと、「目を開けて」と言われ、いやいやと首を振りながら目を開けます。そして「脚を」と言われて、膝を少しずつ開いていきます。

「もっと」

「あぁ」

「お龍さん、射精したかどうかを確かめるんだから、割れ目が開いて陰茎が見えるくらい開かないと。それともお京と・・・」

「あぁ、開きます、開きます、開きます・・・」

私はうわ言のように、繰り返しながら膝を大きく開きました。

「おお、割れ目が見えましたな。よく濡れておるようだ。もう少しですぞ」

「あああぁぁぁ」

私は大きく喘ぐとさらに膝を開きました。

「おお、見えましたぞ、小さな陰茎が。ぐっしょり濡れてはおるが、どうやら射精はしておらんようですな。ほら親分もお銀さんもよく見て下さい」

二人が私の太腿の間に顔を突っ込んできて間近で私のクリトリスを観察します。

あぁ、そんな近くで見ないで。私は嫌々と首を振りながら必死に膝を開いたままの姿勢を取り続けます。

「本当だ、射精はしてないようだな 、乳搾りの後はいくつもあるがな」と親分さんが言うと、「お龍さんよ、前立腺液を溢れさせたのは覚えておるかな?」と相模屋さんがこちらを向きます。

あぁ、これで膝を閉じてもいいのね。

私はゆっくりと膝を閉じかけましたが、「誰が脚を閉じていいと言った?」とお銀さんに言われて慌ててもう一度大きく開きます。

「あぁぁぁ」

「もう一度聞くが、前立腺液を溢れさせたのは覚えておるかな?ほれ、このようにいくつもその跡が残っておるだろう」

相模屋さんが私の恥丘部に残った白濁の跡を指さしながら言います。

確かに、 気を遣る少し前に、とても敏感になった前立腺を押さえられた時、射精とも排尿とも違う不思議な快感と共にクリトリスの中を熱いものが流れたのは覚えています。それが前立腺液であるといわれた事も。

「どうですかな、お龍さん」と相模屋さんが私の顔をじっと見つめます。

私は「あぁ」と喘ぐと、相模屋さんの視線を避けるように横を向いてコクンと頷きました。

「私が押さえる度に何度も溢れさせたことも?」

そうでした。最初は尿を漏らしてしまう気がして我慢しましたが、止めようもなくその熱いものは流れ出しました。その後も私の意思には関係なく、相模屋さんに前立腺を押される度に。

再び私は頷きました。

「そうですか、ちゃんと自分でも分かってたわけだ、フッフッフッ」

相模屋さんが満足そうに頷いたので、私はもう一度膝を閉じかけました。

「まだだよ、お龍さん」

「あぁ」

お銀さんにきつく言われて私は再び脚を開きますが、気持ちが落ち着いてくると、余計にこの格好は恥ずかしく、上を向くことはとても出来ません。

するとお銀さんが横を向いたままの私の前にやってきて、じっと目を見つめながら尋ねました。

「ところでお龍さんよ、あんた射精はできるのかい?」

お銀さんに微笑まれながらこんな恥ずかしいことを尋ねられた私は、思わず顔を上に向けましたが、大勢のヤクザに覗きこまれて慌てて反対側を向くと、そこには親分さんの顔がありました。

「あぁ、あぁ」と私は喘ぎながら首を左右に振ります。

「どうなんだい、射精はできるのかい?」とお銀さんが再び優しい声で尋ねます。

射精なんかもう何年もしていませんし、今でも出来るのかどうか。でもそんな恥ずかしいこと言えません。

私が「あぁ、あぁ」と首を振りながら喘いでいると、「ちゃんと言わないと、またお京を・・・」とお銀さんが私の顔を掴み、じっと私の目を見つめます。

「わ、わかりません」

「今までに射精したことはあるのかい?」

「は、はい」

「最後にしたのはいつだい?」

「な、何年も前です」

「ふーん。じゃあ、まだできるかどうか試してみないとね」

「あぁ、そんな」

「それは面白そうだな。でもその前に前立腺弄りをもっと見たいもんだ」

親分さんがそう言うと、「もちろんですよ。次は親分にやって頂くつもりです。そしてその後は皆さんで順に。でもその前にもう一つ試したいところがあるんですが」と相模屋さんが言いました。

「それは一体?」

「精嚢って言いましてね、これも独逸帰りの友人の話なんですが、 後門から指を入れると前立腺のもう少し奥にあるそうなんです。それも左右に一つずつ。実は私も最近友人から聞いたばかりで未だ実際には触ったことはないんですが、これも押さえてやると前立腺みたいに気持ちが良いらしく、しかも精嚢液を吐き出すらしいのです」

ああ、またそんな恐ろしいことを私の身体に。

私は横を向いたまま思わず目を瞑り、膝も少し閉じてしまいました。

「それでその精嚢液てぇのは?」と親分さんが尋ねます。

「精液の成分というのは睾丸で作られる精子がほんの少し、精々数パーセントで、さっきご覧になった前立腺液が3割程度、そして実に7割は精嚢で作られる精嚢液だそうです」

「ということは精液と似たようなもんだな」

「その通りです。しかも指で押さえられると出てしまう」

「その精嚢がお龍にも?」

「何年か前に射精したことがあるのならまず間違いなく」

「ほぉ、それは面白そうだな」

「でしょう?では早速」

「おい、お龍、今度は精嚢液ってぇのを絞り出されるそうだ。また気を遣れるかもしれねぇぞ」

親分さんが言いますが、私は目を瞑ったまま黙って嫌々と首を振ります。

「じゃあ、お龍さん、もう一度大きく脚を拡げて下さい」

相模屋さんが言っても私はやはり嫌々と首を振るだけです。

「また同じ事を言いましょうか?」

相模屋さんが優しい声で尋ねますが、私が言うことを聞かないとお嬢様を身代わりにすると言っているのです。

「あぁぁ、します、しますから、お嬢様は帰してあげて」

私は少し閉じかけていた膝をもう一度大きく開くと、しっかりと目を開けて真上を向きました。ヤクザ達が一斉に覗き込み、私の身体の奥のほうのどこかが疼きました。

「では鉄二さん、乳房はお願いしますよ」


西組の座敷では臥せっている将吉親分の元へちょうど若頭の竜也が戻ってきたところだった。

「親分、お嬢様は?」と竜也が尋ねた。

「未だだ」

「お龍姉さんからは何か?」

将吉は黙って首を振った。

「そうですか」

「それで南組のことは何か分かったか?」

「ええ、それが妙なんですが、どうやら相模屋が陰で動いてるようなんです」

「相模屋というと隣町の?」

「そうです。最近は東組に上手く取り入って、この町にも進出してきてるんですが、南組にも取り入ろうと、かなりの大金を注ぎ込んでるらしいんですよ」

「南の馬鹿めが、金に目が眩みおって」

「しかもその相模屋が、お龍姉さんが東組に乗り込むという話を聞いて、自分も東組に向かったそうなんです」

「何だって?訳が分からん」

「そうです、もしかして修羅場になるようなところにどうして商人がって思うでしょう?」

「何か企みがあるのかい?」

「それがどうもお龍姉さんが狙いみたいなんです」

「どうしてだい?美貌の用心棒でも欲しくなったのかい」

「そうじゃないでしょう。それなら姉さんに直接頼みに行けばいい」

「そうだな。ということは」

「そうです。姉さんを自分のものにしようと。どうも女には目がないようで、あちこちの女郎屋にも入り浸ってるそうです」

「それだけじゃないかもしれないよ」

光子が廊下から顔を出した。

「どういうことだい?」

光子は将吉を挟んで竜也の反対側に座った。

「相模屋があちこちの女郎屋で何て聞きまわってると思う?」

「何なんだ」

「『ふたなり』だよ。『ふたなり』はいないかって」

「何だって、じゃあ相模屋はお龍がそうだっていうことを知ってるっていうのかい」

「そこまでは分からないけど、お龍を中学のあいだ隣町に預けただろう。あの頃は女の子に成りたてだったから、誰かに気付かれたかもしれない。それが今頃になって相模屋の耳に入るってことはあるかもしれないよ」

「そうだな。そんなに『ふたなり』を探しまわってりやぁ、どっかから伝わっても不思議じゃないな」

「そうだとすると姉さんが危ないです、親分。東組だけなら姉さんをどこかへ売り飛ばそうとすれば、必ず侠客仲間の誰かの耳に入ります。そして姉さんのことを知らない奴なんていないから、そんな仁義に反することは絶対に出来ないはずです。しかし相模屋が絡めば、仁義も何もあったもんじゃない。親分、やっぱり私に行かせて下さい。四、五人若いのを連れてお嬢様と姐さんを取り返して来ます」

「竜也、如何にお前の腕が立つと言っても、向こうは二十人近い大所帯だ。しかもお京もお龍も人質に取られてるようなもんだ。それは余りにも無謀過ぎる」

「じゃあ、どうするんです?」

「もう一度、南に頼んでみる。南もお龍のことは良く知っているはずだ。直接会って頼めば分かってくれるだろう」

「でもその身体じゃ」

「俺はもうどうなってもいいんだ。後はお前に任せるから。おい、光子、人力を呼んでくれ。直ぐに着替えるから手伝ってくれ」

そう言って将吉はふらつきながら立ち上がった。


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