肛宴のお龍

14.元の鞘

再び花台に載せられたお龍は無念さを歯を食いしばって耐えていたが、悔し涙は隠しきれず、一筋二筋と目尻から頬を濡らしていた。

「 お龍さんよ、東の親分はああ見えて、大物だよ。下手に刃向かうとお前さんだけじゃなく、お嬢さんまで酷い目に合う。だから今晩一晩だけ大人しく言うことを聞くんだよ」

相模屋はお龍に顔を近づけて諭すように言ってから、お龍を花台に括り付けようとしている若い衆達に言った。

「今度はお龍さんが自分の大切なところが見えるように、首は後ろに倒さなくて結構。そうそう、頭の後ろに座布団を二つ折りにして挟んで」

「こうですかい?」

「おお、それでいいですな、それから尻の下にも座布団を二つ折りにして入れて。そうそう、それでいい。そして最後に両足を少し開いて花台の脚の根元に括りつけて、そうそう、 膝は閉じてて結構、そういう具合に」

若い衆達はてきぱきと動いて相模屋の言うとおりの格好にお龍を括りつけた。

「お龍さん、手は痛くないかい」

お龍は固い表情のまま黙って首を振った。

「じゃあ、これでお龍さんの準備は整ったわけだ」

「それじゃ、相模屋さん、もう一度手はずを説明してもらえますか?お龍にも聞かせてやった方が良いでしょうし」

いつもの調子に戻った お銀がそう言うと相模屋は得意そうに話し始めた。

「さっきも言ったように私は時々稚児遊びを嗜んでおるんですが、私好みの稚児を見つけるのが、これが至難の業でして、まあ、それは私の好みがちょっと変わってるのが原因なんですが、というのも私は思春期前の本当の稚児が好みなんです。しかし、まずそんな稚児がなかなか見つからない。そして見つかったところで、ありきたりの後門での性交とかは出来ても、思春期前の子供では、陰茎を嬲ってやっても射精は出来ないし、また前立腺も発達してないから前立腺弄りをしても面白くないんですな」

「前立腺とは何ですか?」と親分が尋ねた。

「前立腺というのはほとんどの方はご存知ないと思うんですが、実は私も独逸帰りの友人の医者から聞いたのですが、男性の膀胱のすぐ下で尿道を取り囲んでいる胡桃程度の大きさのものなんですな。何の為にあるのかは良くわかってないらしいのですが、 後門から指を入れるとこの前立腺に触ることができましてな、しかもゆっくりと押さえてやると得も言われる快感らしく、稚児どもがまるで女みたいに気を遣りやがるんです」

「女みたいに気を遣るとは?」

「射精せずに絶頂に達するんですな、男なのに女みたいに」

相模屋はそう言うとお龍の方を見てニヤリと笑い、つられて取り囲んでいるヤクザたちもお龍を見たが、お龍は表情も変えずに俯いている。

「思春期前だとその前立腺が発達してないと」

親分が尋ねた。

「そうなんですな」

「それじゃ思春期を過ぎた稚児では?」とお銀が尋ねた。

「それは単に私の趣味の問題なんですが、やっぱり男っぽくなってくるでしょう?そうするとあんまり熱意が入らないというか、男に見えてしまって駄目なんですな」

「なる程、相模屋さんの悩みが分かりましたよ」と親分がニンマリした。

「そしたらある時にその友達が世の中には『ふたなり』という女の体に男の一物をつけたのがいると言うんですよ。言い換えれば男なのに見かけは女という訳ですな。それこそ私の稚児遊びにぴったりじゃないですか」

「女の体なのに前立腺があるんですか?」とお銀が尋ねた。

「もちろん必ずというわけじゃないらしいのですが、陰茎がある女なら可能性はかなり高いというのが、その友人の医者の話です。それ以来、女郎屋へ行く毎に『ふたなり』はいないかって聞いてるんですが、みんな噂には聞いたことがあるが実際には見たことがないっていうんですな 」

「ところが偶々うちに寄られたら、そのふたなりが居たという訳ですな」

親分が感心したような顔で言った。

「その通り、しかもお龍さんも偶々こちらに来られた訳で、いつも居られる訳じゃない。いやあ本当に幸運でした。私は幸せ者ですな」

「我々も面白いものが見られそうで楽しみですよ。では早速ですが、相模屋さん、その前立腺弄りとやらを」

親分が言うと相模屋は周りを見渡してから、「では」と言ってお龍の肌襦袢を留めている紐を解きはじめた。

「お龍さん、さっきは見事なご活躍だったようだが、今度も主役だからね」

そして紐を解き終わると、肌襦袢の前を大きく拡げてお龍の身体を露わにした。

「あぁ」とお龍が喘ぎ、白い肌がみるみる紅潮していった。 後手に縛られているので隠しようのない豊満な乳房は仰向きになってもその形を崩さず、その頂きでは固く膨らんだ乳首が震えている。

お龍は太腿をピタリと閉じているので、先ほど露わにされた秘密の部分は何とかヤクザ達の視線から逃れているが、無毛の恥丘は隠しようもなく、周りからの好奇の目に晒されているのである。

「先程倉庫であんなに見られたというのにまだ恥ずかしいですか、お龍さん。なあに、安心して私に任せておけば大丈夫」

そう言うと相模屋はお龍の腹部に手を置き、そこから胸の方へと愛撫を与えながら話し始めた。

「ところでお龍さん、立ち入ったことをお聞きしますが、男性経験の方は如何なもんですかな?」

お龍は横を向いたまま黙っている。

「相模屋さんよ、ふたなりの女はどうやって男とやるんだい?」とお銀が尋ねた。

「普通は後門を使うそうですな。だからお龍さんも後門の経験はかなりお有りではないかと思って聞いておるんです。どうです、お龍さん?これだけの美貌だ、町中の男どもが声を掛けるでしょう?どうなんです?」

お龍は黙ったまま僅かに首を左右に振った。

「そう言えばお龍の浮いた話は聞いたことなかったな。言い寄った奴は何人もいたようだが」と後ろの方で鉄二が言った。

「ということは、もしかしてお龍さんはまだ男を知らない生娘ですか?それなら我々はこれからお龍さんの処女を頂くという大変な光栄に預かるわけですな」

お龍はやはり黙り込んだままである。

「まあ、言いたくなければ結構。でも自分では慰めたりはしてるでしょう?これだけの良い身体だ、何もせずに我慢できるとは思えません。いつもはどんな風に気を遣られてるんです?」

再びお龍は僅かに首を左右に振った。

「何もしてないわけはないでしょう?まあ、いいです。あとでじっくり身体に聞きましょう。まず肝心のお龍さんには十分に気持ちを高ぶらせてもらわないといけません。特にあんな立ち回りを演じたあとだから念入りに。その為にこうして愛撫をしておるわけですな」

相模屋の手が乳房にかかり、お龍が「ひぃ」と悲鳴を上げた。

さらに相模屋はお龍の頭の方へ移動し、両手でお龍の両方の乳房を揉み出した。

「止めておくんなさい」

お龍は横を向き、歯を食いしばって相模屋の蹂躙に耐えようとした。

「止めませんよ、こんないい女を前にして。しかもお龍さんは極めて稀なふたなり、しかも生娘かもしれない訳ですから、必ずや前立腺弄りで気を遣らせてあげますよ」

相模屋はそう言うと、一旦お龍の乳房から両手を離し、手術を始める前の外科医のように目の前で大きく拡げてから、再びお龍の二つの乳房を覆った。そして奇術師のように自由に動く指を縦横無尽に動かしながら、ゆっくりと時間を掛けてお龍を高ぶらせていった のである。

相模屋に乳房を蹂躙されながら、お龍は再び竜也のことを思い出していた。本当は竜也のことが好きだったことを、竜也に抱きしめて欲しかったことを、そして乳房を弄って欲しかったことを思い出し、無念の涙がとめどなく流れた。

「はぅぅぅ」

突然喘ぎ声が出てお龍は現実に引き戻された。必死に耐えていたのに、とうとう喘ぎ声が出てしまったのだ。そして一旦、綻び始めると、如何に剣の達人であっても熟れた女の身体であることには変わりはなく、身体の奥底から沸き上がってくる劣情を抑えることが出来なくなったのである。

「はぁぁぁ、あぁぁぁ」

「よく我慢しましたね、お龍さん。でも、もう我慢する必要はないですよ。思う存分いい気持ちになればいい。そう、その調子ですよ」

「ああぁぁぁ、あああぁぁ、ああああぁ」とお龍の喘ぎ声が徐々に大きくなった。

「そう、思いっきり声を出していいんです。そして、その気に成ったら、太腿を開いてもらいますからね。無理やり拡げるなんてことはしませんから。お龍さんが自分から開いて大切なところを見て欲しくなるまで待ちますよ」

「自分から?」とお銀が尋ねた。

「そう、自分から言いますよ。それくらい高ぶらないと前立腺弄りは上手く行かないんです」

相模屋は依然としてゆっくりとした動作でお龍の乳房を揉みながら、自信満々の様子で答えた。

そしてものの二三分も経たないうちに、お龍が裸身を捩りながら喘ぐように言ったのである。

「あ、脚を、ひ、開いて下さい」

「ほら、言ったとおりでしょう」と相模屋は得意気に周りを見渡した。そしてお龍の顔を上から見下ろしながら言った。

「でもお龍さん、さっきも言ったでしょう。私が開くんじゃない。お龍さんが自分で開くんですよ」

そして少し力を入れてお龍の乳房を揉みほぐし、時には乳首を指で挟んで転がすようにしたのである。

お龍は最初、「ああ、そんなこと、出来ません」と首を振っていたが、次第に高ぶってきたのか、「はぁぁぁ、ああぁぁぁ、ひ、開きます、開きます」と言いながら、ぴたりと閉じていた膝を緩め始めたのである。

相模屋は満足気に頷くと、お龍の胸から手を離し、後ろを向いて鉄二を呼んだ。

「鉄二さん、私に変わってお龍さんの胸を揉んでやって下さいませんか?さっきの仕返しも兼ねてね」

「ああ、いいけど」と言って首に包帯を巻いた鉄二が前に出てくると、両手でお龍の乳房を掴んだ。

「い、痛い!」

お龍が上体をくねらせながら叫び、膝もぴたりと閉じてしまった。

「鉄二さん、焦る気持ちは分かるけど、もっと優しく」

相模屋に言われて鉄二は少し不貞腐れたが、思い直してゆっくりと、しかしぎこちない動作で揉みほぐし出した。

「そうそう、鉄二さんは飲み込みが早いね。私も若い頃は鉄二さんみたいにすぐにカッとなるし、何でも力づくでやって、女には散々嫌われたんですよ」

「へぇ、それは初耳ですな。相模屋さんは生まれつき、そっちの方の才能があるのかと思ってました」

親分が鉄二の隣に来て言った。

「とんでもない。開眼したのは40を越えてからですよ。鉄二さんはそれよりも若そうだから、将来が楽しみだ、ハッハッハッ」と相模屋は満足そうに笑い、お龍の足の方へと移動した。

鉄二の動きは次第に滑らかになり、それに連れてお龍は再び喘ぎ声を出し始め、ついに「あぁぁぁ、あ、脚を、ひ、開きます」と言いながら再び膝を緩めたのである。

相模屋は真剣な顔でお龍に愛撫を加えている鉄二の方を見て頷くと、「その調子だよ、お龍さん、もう少し開いてくれないかい」と優しく言い、お龍が脚を開くに連れて、「そうそう、もう少し、もう少し」と励ますと、とうとうお龍は自ら太腿をほぼ直角にまで開いたのである。

「ほおおお、これは絶景、そそられますなぁ」

相模屋が言うと、若い衆達が周りに集まりだし、お龍は少し脚を閉じかけたが、「まだ閉じちゃだめだ、そのままじっとしてるんだよ」と言われると、再び大きく開いたのである。

「さっきのが隠れてしまってますね」とお銀が感心したような声を出した。

お銀が驚くのも無理は無かった。産毛の一本すら生えていないツルツルの陰裂はその口をぴたりと閉ざしていて、先程見事な排尿を見せた小さな陰茎は影も形もなかったのである。

「しかもしっとりと濡れてるようですな」

相模屋は呟くように言うと、右手を伸ばし、指先で陰裂の中ほどに触れた。

「あぁぁぁ」とお龍が喘ぎ、腰を揺らした。

「やっぱり濡らしてますな、お龍さんよ」

そして中指を陰裂に挿入すると、それは第一関節まで見えなくなった。

「ほほう、ここまで入りますか」

そしてゆっくりと尻の方へと動かした。

「いぃぃぃぃ」とお龍が喘いだ。

次に相模屋は中指を腹の方へと動かし、中指が陰裂の一番端まで来た時、お龍が大きく喘いだ。

「ああああぁぁぁ」

「ありましたぞ」

相模屋は嬉しそうに周りを見渡すと、「お龍さん、もっと脚を開いてもらえないかい?皆さんお前さんの宝物を見たいそうだ」と言って指を抜いた。

お龍は鉄二に乳房を揉まれながら、「嫌です、嫌です」と二度三度首を左右に振ったが、身体の中から湧き起こる劣情に負けたように、「くぅぁぁああ」という喘ぎ声と共に太腿を大きく開くと、大きな陰核のようにも見える極めて小さな陰茎を、しとどに濡れた陰裂の内側から覗かせたのである。

唾を飲み込む音があちこちでした。

「見えましたな。しかし、それを弄ってあげるのはもう少し後ですよ。その前に前立腺ですからな。よしよし、良い子だ、そのまま脚を開いてるんですよ」

相模屋はそう言うと、お銀が用意した菜種油の壺を引き寄せ、人差し指と中指を根元までつけた。そして左手の親指と人差し指でお龍の尻たぶをゆっくりと開いていった。

「いやぁ」とお龍が喘ぐのと同時に「おや?」と相模屋が言った。

「これは驚いた」

「何々」と親分とお銀が覗きこむ。

「仕掛け簪の鞘じゃないか。鞘は咥えたままだったのかい」とお銀が言った。

「面白い余興を思いつきましたよ」と相模屋が言った。

「どうするんだい」と親分がニヤリと笑った。


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