エピソード III〜 静子

17.確信

食事中二人は一度もキッスはしませんでした。そして話す内容もわざとお互いの個人的な事を避けているかのように、ドリーは実験室での失敗談で静子を笑わせ、静子もオフィスでの噂話でドリーを喜ばせました。

笑い転げる静子が何度かドリーの太腿を叩いたくらいで、二人ともまるで次のラウンドに備えてエネルギーを温存しているかのようでした。

「あー、とっても美味しかったです」

「お口に合ったみたいで良かったわ。キャバルネも美味しかったわね。さて、デザートにアイスクリームは如何?ヴァニラか抹茶しかないけど」

「どっちも好きです」

「じゃあ、半分ずつにしましょう」

静子が立ち上がって空になった皿を重ねると、ドリーも立ち上がってサラダのお皿やフォーク、スプーンを纏め、キッチンに運ぶと食器洗い機に並べていきます。さらにお鍋やフライパンも一緒に入れ てスタート・ボタンを押すと、ザーっとお湯の貯まる音がし始めました。

その間に静子はフリーザーからアイスクリームの丸い箱を二つ取り出し、ガラスの器に取り分けます。

「後はリビングでゆっくりとね」

「ええ。じゃあアイスクリームを持っていきます」

「お願いするわ。私は新しいワインを持っていくわ」

ドリーがリビングのコーヒーテーブルにガラスの器を二つ並べていると、トレイにワイングラスとワインボトルを載せて静子が入ってきました。

「次はシャルドネにしましょう」

「いいですね」

「じゃあ、座って」

ドリーが先程と同じソファーに腰を降ろすと、静子はトレイをテーブルに置いた後、しばらくドリーを見つめていましたが、「隣に座らせてね」と言うと、すぐ右側に腰を降ろしました。そしてワイングラスをそれぞれの前に置くと、シャルドネのボトルをドリーに渡します。

「これも開けて下さる?」

「もちろん」

トレイの上のワイン・オープナーを取るとドリーは再び真剣な眼差しでコルクにオープナーを突き刺します。

「あなたのその顔好きよ」

「まあ、からかわないで下さい、静子夫人」

「本当よ」

そう言われてドリーが顔を上げると、静子は唇を近づけ、そして軽くドリーの唇に合わせました。

「これで分かった?」

「ええ、分かりましたわ、静子夫人」

少し息を切らしながらドリーが静子を見つめます。

「分かったらコルクを抜いて」

「はい、静子夫人」

ドリーは再び真剣な顔になってオープナーを回し始めます。静子はヴァニラのアイスクリームを一匙すくうと、ドリーを見つめながら真っ赤な唇を開き、真っ白のアイスクリームを口の中に入れると唇を閉じ てしばらくスプーンを咥えています。そしてスプーンを抜くと真っ赤な唇を少し開き、ピンクの舌を出すと唇の端に付いた白いアイスクリームを舐めるのでした。

「抜けました!」

ドリーが笑みを一杯に浮かべた顔を上げます。

「ありがとう、ドリー」

静子がワイングラスに目をやると、ドリーは静子のグラスに、そして次に自分の前に置かれたグラスにシャルドネを注ぎます。

「もう一度乾杯ね」

「ええ」

二人は軽くグラスを合わせると一口シャルドネを啜り、グラスをテーブルに戻したままじっと見詰め合います。

ドリーがゴクンとシャルドネを飲み込みました。

静子は尚もドリーを見つめていましたが、ゆっくりと顔を近づけ、ドリーがそれに応えるように目を瞑って唇を半開きにすると閉じた唇を重ねました。そしてドリーの頭を抱くように後に倒すと唇を開いて口の中に溜めていたシャルドネを流し込んだのです。ドリーの喉がゴクンゴクンと鳴り、両手が静子の背中を抱きしめます。

「ムゥ」とドリーが呻くと、静子がゆっくりと唇を離しました。

「ハァー」と熱い息を吐きながらドリーはゆっくりと目を開きました。

「こんな素敵なシャルドネは初めてです」

「私もこんなことしたの初めてよ。不思議なの、あなたといると大胆になれるのよ、いつもの私じゃないみたい」

「でも、とっても素敵でしたわ、静子夫人」

ドリーがそう言った後、ふとアイスクリームを盛ったガラスの器に目をやりました。

「分かったわ、次はアイスね」

「・・・」

ドリーは何も言わずに静子を見つめます

静子は目で頷くと、手を伸ばしてスプーンに山盛りにヴァニラのアイスクリームを載せ、大きく唇を開いて口の中に入れると、真っ赤な唇を閉じ、ドリーを見つめながらスプーンを抜きます。

「アァ、静子夫人」

ドリーは喘ぎながら頭を後に倒してソファーの背に載せ、目を瞑ると唇を軽く開きます。

静子はスプーンをガラスの器に戻すと、目を閉じたドリーに顔を近づけて行き、ゆっくりと唇を合わせました。

「ァア」

ドリーが喘いだのを合図に静子が唇を開くと、唾液と混ざり合った溶けたアイスクリームが流れ込みます。

ドリーの喉がゴクンと鳴り、両手が静子の背中に回ります。

「ォオ」

ドリーが喘ぐと、さらに静子はアイスクリームの絡まった冷たい舌をドリーの熱い口の中に挿入していきます。

「ンムゥ」

静子の背中に回っていたドリーの左手がセーターの中に潜り込み、静子の右手もドリーのセーターをたくし上げてウエストの辺りを撫でさすります。 冷たかった静子の舌も、ドリーの熱い舌と抱擁を繰り返す間に熱を帯びてきて、いつしか二人は互いに相手の熱い舌を、そしてアイスクリームが混じった甘い唾液を飲みあうのでした。

「ふぅー」

熱い息を吐きながら静子がやっと唇を離しました。

「私もアイスのように溶けちゃいそう」

放心したような目つきでドリーが喘ぎます。

「もっと蕩けさせてあげるわ。今度はシャルドネがいい?それとももう一度ヴァニラのアイス?抹茶もあるわよ?」

「ァア、シャルドネで酔わせて下さい」

静子は一旦立ち上がるとコーヒーテーブルを横にずらせてドリーの足元に立ち、シャルドネのグラスを手にとって残りを全て口に含みました。そしてグラスを置くと、ドリーの揃えた太腿を跨ぐようにソファーの上に膝立ちになり、そのまま身体を倒して半開きで待ち構えているドリーの唇に重ねたのです。

「ァア」

ドリーが喘ぎ、静子の唇が開きます。そして、ドリーの喉がゴクンゴクンゴクンと何度も鳴る間に、静子の両手はグリーンのセーターをまくり上げ、先ほどから熱く火照っている乳房を掴みました。

「ムゥ」

ドリーが呻きながら背中を反らして応えると、静子はさらにセーターをたくし上げ、唇を離すとセーターを一気に頭から抜いてしまいました。

「アァ」

小さく喘いだドリーが両手で乳房を覆い、じっと静子を見詰めます。

「やっぱりブラはしてなかったのね」

静子が落ち着いた様子で宣告するように言うと、ドリーは黙って頷きます。

「下半身はどうかしら?」

静子はそう言うとソファーから降りて絨毯に正座し、ドリーの穿いているレギンズの上端に両手をかけます。

「ァアア」

喘ぎながらドリーが左右にゆっくりと首を振りますが、静子は気にする風も無く、ずるずるとレギンズをずらし始めるのです。

「まさかノーパンじゃないでしょうね?」

「ァア、違います」

さらにレギンズをずらすと腰骨の辺りに巻きつく黒い紐が露わになりました。

「見えたわ、黒のGストリングね」

「ァア」

静子がさらにレギンズをずらそうとすると、脱がせやすいようにドリーが腰を浮かせ、さらに軽く太腿を開きます。そして静子は一気に足首までレギンズをずらすと、そのまま足先から抜き取ってしまったのです。

「ァアア」

銀色のハイヒールサンダルと黒のGストリングだけの姿になったドリーは再び太腿をピタリと閉じ、両手で乳房を覆ったまま上気した顔で静子を見つめています。

「綺麗な身体」

そう呟いた静子もドリーをじっと見詰めます。

「次は何がいい?私は抹茶のアイスが欲しくなったのだけど?」

「ァア、私も抹茶が」

静子は頷くと、右手を伸ばして抹茶のアイスをスプーンで掬って口に含み、ドリーの太腿を跨ぐようにソファーの上に膝立ちにな ります。ずっと両手で乳房を覆ったまま静子を見つめていたドリーでしたが、ついに観念したのかゆっくりと両手を乳房から離すと、そのまま頭上に持ち上げてソファーの背を掴みます。

小ぶりですが美しい形をした乳房が揺れ、その頂では固く勃起したピンク色の乳首が熱を帯びています。そしてドリーが目を瞑って濡れた唇を少し開くと、静子が真っ赤な唇を重ねるのです。

「ァアア」

ドリーが喘ぐと、静子の唇が開いて溶けたアイスが流れ込み、喉がゴクンと鳴って、ソファーを掴んだ両手に力が入り、背中が反り返ります。静子の両手は遮るものが何もなくなったドリーの乳房をゆっくりと掴み、唾液と混ざり合った溶けたアイスクリームを流し込まれながら乳房を愛撫されるドリーは、快楽に呻きながら裸身をくねらせるのです。

「ふぅー」

熱い息を吐きながら静子が唇を離すと、ドリーも「ァアアア」と一際大きく喘ぎます。

そして静子に、「次は?」と尋ねられると、嫌々と顔を振りながらも、もう一度大きく裸身をくねらせ、「シャルドネ」とかすれた声を漏らすのです。

何度も何度も口移しでアイスクリームを食べさせられ、シャルドネを注ぎ込まれ、アイスクリームの容器もシャルドネのボトルも空になった頃には 、ドリーは息も絶え絶えでソファーの上で崩れそう です。

静子は少し捲れ上がったセーターを直しながらドリーを見下ろすように立ち上がります。

「ドリー、次はどうやって愛してあげればいいの?」

「ァア、静子夫人」

ドリーはじっと見詰められるのが恥ずかしいのか、再び両手で胸を隠し、ピタリと揃えた脚をくの字に曲げてソファーに引き上げます。

「私はレズの経験はあるのよ。同じでいいのかしら?」

「・・・」

ドリーは何も言わずじっと静子を見つめていましたが、ゆっくりと首を縦に振りました。

「分かったわ」

静子はピンクのセーターの裾を両手で掴むと、さっと頭から脱いでしまいます。豊満な乳房がブルンと揺れます。さらに静子はドリーを見つめながら、ストレッチ・ジーンズのボタンを外すと、脚にピッタリと張り付いていたジーンズを引き剥がすように脱いだのです。もうこれで静子の身体を覆うのも極小の黒のレースのTバックだけです。

「ァア、静子夫人」

ドリーが喘ぎながら胸を隠していた両手を再び挙げてソファーの背を掴み、くの字に曲げていた脚を静子の方に向けて真っ直ぐに伸ばすと、静子はドリーの太腿を跨ぐようにゆっくりとソファーに両膝を付きます。そして両手を伸ばしてドリーの両手首を掴むと、真っ赤な唇を半ば開きながらゆっくりと身体を倒していったのです。

「ァア」

ドリーは喘ぎ声を漏らすと、やはり唇を半開きにし、そして小ぶりの乳房を精一杯誇示するように身体を反らせます。そして静子がさらに身体を倒すと、熱く火照った豊満な乳房の先で固く屹立している乳首が、やはり熱く疼いているドリーの少し小さな乳首に触れたのです。

「ハァ」

「あぁ」

ドリーと静子が同時に喘ぎ、静子が身体をくねらせると静子の乳首がドリーの乳首を愛撫するように戯れ、ドリーも堪らずに身体をくねらせるのです。

「ァァアアア」

「ほぉぉぉぉ」

そして静子はさらに身体を倒して、先ほどから熱い息を吐き続けているドリーの唇に自らの唇をピタリと合わせ、豊満な乳房をドリーの乳房に密着させたのです。

「ムゥゥゥ」

「むぅぅぅ」

静子は両膝を大きく開くと局部をドリーの下腹部にこすり付けるように腰を振りながら身体をくねらせ、時折勃起した乳首が触れ合うたびに、二人は喉の奥から快感の呻き声を漏らすのです。

「ムゥゥゥ」

「むぅぅぅ」

静子は両膝を益々大きく開いて局部を擦りつけ、豊満な乳房を押し潰すようにドリーの裸身に密着させながら自らの裸身をくねらせ、ドリーも負けじと身体を反らして自らの乳房を静子の乳房に押し付けます。

突然静子が動きを止めて唇を離しました。

「あなたの身体にキッスさせて」

「ァア」

静子はドリーの両手首を掴んだまま、首筋に唇を這わせ、耳の中に舌を這わせ、耳たぶを軽く噛んでドリーを喘がせます。両方の耳を十分味わった静子の唇は、次には肩から胸へと降りてきます。

「ァア、静子夫人」

ドリーがまるで早く乳首にキッスをしてとばかりに身体を反らせ、固く勃起した乳首を静子の唇に押し付けようとしますが、静子はそう簡単には願いを叶えてはくれません。

「そこは未だよ」

静子はそう言うと乳房の麓の方からゆっくりと唇を這わせ、乳暈の手前まで登ってくるとその内側には入らずにゆっくりと周囲を回ります。

そしてドリーが堪らずに、「お願い」と喘ぐように言うと、静子の唇は反対側の乳房に移動し、ドリーは失望の呻きを漏らすのです。

静子の唇は何度も左右の乳房を行ったり来たりし、その度にドリーは「お、お願い」と哀願し、そして叶えられないと「ァアア」と再び喘ぐのです。

「はっきり言わないとしてあげないわよ」

乳房から唇を離した静子がドリーの耳元で囁きます。

「ァア、静子夫人。ち、乳首にキッスをして下さい!」

裸身をくねらせながらドリーが喘ぐように言います。

「分かったわ、ドリー。良く言えたわね」

静子はそう言うと、真っ赤な唇を大きく開き、今にも弾けそうなくらいに固く屹立してるドリーの乳首に吸い付いたのです。

「ォォォオオオオオ」

思いっきり身体を反らせながらドリーは快楽の叫びを上げ、それに応えるように静子の唇が反対側の乳首へ、そして又反対側へと、何度も何度も交互に両方の乳首を吸い、その度にドリーは叫び続けたのです。

やっと顔を上げた静子が荒い息を吐きながらドリーをじっと見詰めます。

「次はどこにキッスして欲しいの?」

そして静子は黒のGストリングに覆われたドリーの下腹部に視線を走らせます。

「ァア、そ、そこは」

「そこは駄目なの?」

「いえ、そうじゃなくて」

「キッスして欲しいんでしょう?」

「ハ、ハィ」

「じゃあ、ちゃんと言いなさい」

「ァア、静子夫人。きょ、局部にもキッスをして下さいっ!」

吐き出すように言うとドリーはサッと顔を横に向けてしまいます。

「でもその前に、そこを隠しているものを取らないと」

「ァア、静子夫人。そこまで言わせるのですか」

横を向いたままドリーが呟きます。

「言いたくなければいいのよ」

「アァ、言います。言いますわ、静子夫人」

ドリーはそう言うと真っ直ぐに静子の方に向き直り、じっと静子の目を見つめながら言ったのです。

「静子夫人。Gストリングを脱がせて下さい!」


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