エピソード III〜 静子

10.ハロウィーン・パーティ

岡田夫人の家に一泊した翌日、静子は自宅に戻りました。夜にはコージも戻り、二人は1週間ぶりにベッドを共にしたのですが、驚いたことに静子はコージとのセックスでも以前のように感じ ることができたのです。もちろんコージが喜んだことは言うまでもありません。そしてそれ以来、一緒に居るときは二人は毎晩のように愛し合うようになったのです。しかし静子の身体が絶頂に達しても、静子の心は一層コージから離れて 行くようでした。言い方を変えれば、心が離れたから身体が感じるようになったとも言えるのかもしれません。

たとえ毎晩のようにしていても、コージとのセックスがまるで一夜の情事のように静子には思えました。そして、何よりも静子を驚かせたのは、コージに貫かれて絶頂に達する自分とは別に、冷静にコージの動きを観察している自分がいることでした。 まるでいつか訪れる機会の為にコージのテクニックを盗んでおこうと真剣に観察している自分が。

気持ちが離れたことにより、静子は余裕を持ってコージと接することができるようになり、その結果コージは静子の心を取り戻したと勘違いし たのです。しかし静子は既にコージを夫としてではなく、時折気が向けばSEXをする男友達として見ていたのです。たまたま、回数が多いだけ。たまたま今は一緒に住んでいるだけ。でも、いつその関係が無くなるかは誰にも分からない。そんな風に思えるようになったのです。

「でも別れるつもりはないのね?」

長い鞭を手でもてあそびながら岡田夫人が言いました。

「ええ、今のところは」

静子が小声で答えると、ヒットラーの格好をした岡田夫人は立ち上がり、ピンヒールのブーツをコツコツ言わせながら歩き回ります。

それにしても随分とセクシーなヒットラーです。軍帽、チョビ髭、ブーツはヒットラーそのものですが、素肌に直接着ているナチスのマークの入った上着は胸が大きく開いていて乳房が見えそうですし、ぶかぶかのズボンの代わりのレギンズが太腿のシルエットを強調しています。

「ケイトはどうしてるの?」

「どうやら彼とよりが戻ったみたいですよ」

「それは良かったのかしら?」

「もちろん!」

「でもあなたの恋人でしょ?」

「だからケイトはそんなんじゃないって前にも言ったでしょ?」

「ああ、そうだったわね。でも残念ね、折角素敵な恋人が出来たのに」

「もう、岡田夫人ったら」

魔女の格好をした静子が怖い顔をして睨むので、ヒットラーの岡田夫人もさすがにそれ以上はからかうのを止めました。

「それにしても静子さん、あなたってトンガリ帽子が似合うわね。スリットの入ったロングドレスもセクシーだし」

「そうですか?魔女になるのは初めてなのでどうかなって心配だったのですよ」

「初めてだったの?ハロウィーンって言ったら子供はともかく、大人は魔女って決まってるでしょ?」

「そうなんですか?」

「そうよ。さあ、そろそろ向こうへ行きましょう。皆さんもうワイワイやってるみたいだから。あなたと気が合う人が見つかればいいんだけど」

騒々しい音楽が鳴り響いている広いリビングルームでは十数人の男女が入り乱れて騒いでいます。男性陣はスーパーマン、バットマン、スパイダーマン、ダースベイダー、何だか分からない着ぐるみの人、さらにモコモコの緑色の物体も蠢いています。女性陣の多くは大胆に肌を露出していて、女神も吸血鬼も海賊もポリスもドレスの布地は最小限です。脚を露わにしていないのは岡田夫人と静子だけでしょうか。 みんな既にワインやビールでいい気分になって大声で話をしたり、半裸の身体をくねらせて踊っている女性もいます。

岡田夫人は順番に静子を紹介しようとするのですが、男性の多くは見ただけでは分からない人も多く、「あなた誰?」、「○○ですよ!」、「ええっ!ウソッ、本当に○○さん?」という具合に一々岡田夫人が大声でビックリ するので、その度に一層座が盛り上がります。

ご主人がおられると開かれないそうですが、ハローウィンの週末にご主人が出張とかでおられない時は、こうして気の会う仲間を集めて騒ぐのが恒例になっているようです。

「大体全員紹介したわね。後は、彼だけね」

そう言いながら岡田夫人が指差した先には小さな檻が。中には灰色の囚人服を着た男が四つん這いになっています。

「マーロンよ」

岡田夫人が囁きます。

「えっ、マーロンって岡田夫人の恋人・・・」

静子も小さい声で尋ねます。

「そうよ。皆には内緒なの」

「どうして内緒にしてるのですか?」

「それはね。すぐに分かるわ」

それにしても凝ったコスチュームというか、コスチュームは単なる囚人服なのですが、檻と手枷足枷がセットになっているので舞台効果万点です。しかも近づいて良く見ると、檻は四つん這いの身体が辛うじてはいる程度の大きさで、手枷足枷だけでなく、肩や腰も檻に固定されているので、マーロンはほとんど身動きできないようです。

二人が近づくとマーロンは顔を上げましたが、その顔もピエロのメークなので他で会ってもまず分からないでしょう。

岡田夫人は二言三言マーロンに囁くと、持っていた鞭の柄で檻をガンガンと叩きます。音楽が鳴り止み、皆さんが檻の方へ集まってきます。その中から肌を大胆に露出した婦人警官が前に出ると鉄格子の間から手を突っ込み、マーロンの尾骶骨の辺りのファスナーの引手を摘まんで岡田夫人の方を見ました。

静子は初めて気が付いたのですが、マーロンの囚人服のズボンは、まるで左右に切り離すことが目的であるかのように、通常のファスナーが股間を通って後ろ側の最上部にまで達していて、婦人警官はその最上部の引手を摘まんでいるのです

そして岡田夫人が頷くと婦人警官はファスナーをスルスルと降ろしていきます。

囚人服が開いて白いお尻が現われると、「ォォオー」とどよめきが起こります。

そしてさらにファスナーが降ろされて陰嚢が覗くと室内が静まり返ります。

婦人警官は一度腕を抜くと、今度は真横から手を突っ込んで、ファスナーをさらに前へと開いていき、見事に勃起したペニスが飛び出すと、再びどよめきが起こり、そしてファスナーが後から前まで完全に開くと、腰を覆っていたズボンはハラリと左右に落ちたのです。

「岡田夫人、私はこういうのはちょっと」

静子は目を背けながら岡田夫人に囁きますが、逆に「しっかりと見るのよ」と優しく頬を抱かれてマーロンの方を向かされてしまいます。

次に前に出てきたのは静子と同じようなトンガリ帽子を被った魔女ですが、お腹を大胆に露出した黒のビスチェの上には極めて丈の短い同じ黒の七部袖のボレロを羽織り、下半身は同じく黒の超ミニのガータースカートで黒の網タイツを吊っていますが、スカートの下に果たして下着を着けているのかどうか。

魔女が右手に持った杖を鉄格子の間から差し込むと、まともやどよめきが起こりました。何と、杖の先は巨大なペニスの形のディルドになっていて、すでにジェルがたっぷりと塗られ妖しく光っているのです。

女性陣が「犯せ!、犯せ!」と声を合わせて叫びます。

向こうを向いているマーロンの表情は分かりませんが、ペニスは一段と固く勃起しているようです。

魔女がさらに杖を差し込み、ディルドの先がマーロンのお尻の割れ目に当たったらしく、「ウゥゥ」とマーロンが呻きます。

「犯せ!、犯せ!、犯せ!、犯せ!」

女性陣の叫び声が大きくなります。

魔女はぐるりと周りを見渡して一度ニッコリ笑うと、次には真剣な表情となって杖を握る手に力を込めていきます。マーロンのお尻の間に当たっていたディルドが少しずつ短くなります。

「ゥォォオ」とマーロンの呻きが大きくなります。

そしてさらに魔女が力を込めると、ディルドはさらに短くなり、ついにその姿を消してしまったのです。

「ォォオオオ」

マーロンが顔を仰け反らせて大きく喘ぎました。

「フゥー」

静子も思わず溜め息を漏らしていました。最初は岡田夫人に顔を抱かれて無理やり見せられていたのに、いつのまにか魔女の直ぐ横に立って夢中で見入っていたのです。

「次はあなたの番よ」

突然魔女に声を掛けられて振り向くと、魔女が微笑みながらマーロンのお尻に突き刺さったままの杖を静子に渡そうとしています。

「えっ、私はとても」

静子が後ずさりしようとすると岡田夫人に肩を抱かれました。

「このままピストンするだけ。彼も喜ぶわ」

「そんなこと、私にはできません」

「出来るわよ、静子さん」

岡田夫人は優しく言うと静子の頬に口付けをし、回りの皆も声を揃えて、「シズコ!、シズコ!」とシズコ・コールが始まってしまいました。

気が付くと静子は杖をしっかりと握り締めています。時折マーロンがアヌスを締め付けるのか、杖がクイックイッと引っ張られます。

「さあ、始めて」

岡田夫人に言われて静子がマーロンの方を見ると、巨大なディルドは見事にアヌスに飲み込まれています。

「引きずり出すのよ」

岡田夫人の指示と同時に、思い思いの扮装をした人たちが一斉に静子を見詰めます。

静子の内側で何かが音も無く崩れ、その代わりに別の何かがむくむくと起き上がりました。いつの間にか静子は左手で鉄格子にしがみ付き、右手で杖を力一杯動かしていました。

マーロンの喘ぎ声が益々大きくなり、それに合わせるように静子も喘ぎ始めます。

「ハァ、ハァ、ハァ」

「その調子よ、静子さん、上手よ」

岡田夫人に耳元で囁かれたのが無性に嬉しくて、静子は岡田夫人に抱かれたまま夢中で杖を動かし続けます。

『もうどうなってもいい。何が起きても怖くないわ!』

次第にマーロンの叫び声も、周りの人たちの声援も遠のいていき、岡田夫人と二人っきりのシーンと鎮まりかえった部屋には静子の喘ぎ声だけが響きます。

『これでいいのですね、岡田夫人、これでいいのね』

岡田夫人の熱い吐息が首筋にかかり、熱い唇が頬に触れます。

「ァォォォオオオオオオオオオオ」

突然杖が強い力で引っ張られると共に、マーロンの凄まじい叫び声で静子は我に帰りました。

静子は慌てて杖を握った右手の力を緩めます。心臓がドキドキします。

次の瞬間、女性陣の艶っぽい歓声が沸き起こり、男性陣のどよめきが続きました。

「よくやったわ、静子さん。マーロンはイッタのよ」

「イッタって?」

「あなたのディルド責めで射精したのよ、見て御覧なさい」

岡田夫人に指差されて見ると、マーロンの身体の下には白い濁った粘液が飛び散っています。そしてペニスは既に小さく萎んで力なく垂れ、その先からは白い粘液が糸を引いていま す。

『アヌスを犯されて射精するなんて』

アナルセックスという言葉は知っていた静子でしたが、それだけで射精することがあることは知りませんでした。しかも鉄格子越しとはいえ自らディルドを動かして岡田夫人の恋人を射精にまで追い込んだのです。

「ハァアー、ハァアー、ハァアー」

まだ息が切れますが、動悸は次第に収まってきました。

岡田夫人は静子の肩を抱きながら、杖を手に取るとゆっくりと引っ張ってディルドを抜き、魔女にその杖を返しました。

そして少しずつ平静を取り戻した静子は、ロングドレスの下に穿いている下着がグッショリと濡れていることに気付いたのでした。

2004年のハローウィーンはこうして終わりました。静子が マイクと出会うクリスマス・パーティまではもう1ヶ月余り。でも静子はそんなことはもちろん知りませんし、マイクもアプライド・ジーンズ社(AG)の立ち上げで奔走していて、ハローウィンどころではありませんでした。


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