エピソード II〜 ジーナ

5.ミニドレス

ホルモン療法の効果がそんなに直ぐには現れないことは分かっていましたが、一ヶ月経っても何も変わらないと少しずつ不安になってきます。私のときもそうだったから心配要らないと ローラに言われても、実際に何らかの変化が起きるまでは心配だったのです。昼間は忙しくて忘れていても、夜になってアパートに帰ると気になりだします。シャワーを浴びた後、全身を鏡に映しながら身体のあちこち を眺めてみるのですが、相変わらず変化が無いのにがっかりした私は両腕で自分の ペチャンコの胸を抱きながらベッドに入るのでした。

ところが二三ヶ月程経ったある夜のことです。その日も見た目には変化は見られず、私はしょんぼりと胸を抱きしめたのですが、その時に乳首やその周囲が普段よりも敏感になっていることに気が付いたのです。乳首の裏側辺りで 何か変化が起きている様な気がします。乳暈の辺りが少し柔らかくなったような気もします。 私は嬉しくて何度も何度も乳首や乳暈の辺りを愛撫しては喘ぎ声を漏らしました。

そして 半年も経つと明らかに胸の膨らみが目だってきました。カップサイズで言うとAAカップ位でしょうか。そしてお尻や太腿にも少しずつ脂肪が付いてくる代わりに腹部の脂肪は少なくなり、結果的にウエストのくびれが 高い位置にできてきて、女性らしい丸みを帯びた下半身に変わってきたのです。

もうパッド入りのガードルは不要です。Tバック の上に直接レギンズを穿いてもおかしくありませんし、女性用のジーンズを穿いても似合うようになってきたのです。そしてこの頃にはもう一人で女装して外出することもできるようになっていました。

ただ、ふくらはぎや太腿の筋肉はそう簡単には落ちないみたいで、未だミニスカートは似合いませんでした。 季節は冬になってもロサンゼルスでは暖かい日も多く、そんな日には超ミニで闊歩する女性も多いのですが、残念ながらまだ私は自信がなかったのです。

でも家の中では良く超ミニを穿いていました。脚の毛は最初の頃は毎日丁寧に剃っていましたが、次第に脱毛ワックスを使うようになり、その頃には毛も薄くなり始めたのでいつも 脚はツルツルでした。そして超ミニに合わせる為のヒールの高いサンダルで歩く練習は毎日のようにしました。

厄介なのは髭でした。なかなかホルモン療法だけでは薄くならないとは聞いていたので、レーザーも使ったし最後には電気分解法も使いました。 顔で難しかったのは眉毛です。本当は細い眉毛にしたかったのですが、マイクに戻る時にあまり細いとおかしいので、少し太い目の眉毛に揃えていました。

女装での一番の楽しみはサイクリングでした。太いふくらはぎもサイクリング・ウエアならそんなに気にならないし、自転車で走っていればじっくり見つめられることもありません。身体に密着するようにフィットするウエアが少しずつ細くなったウエストを強調してくれますし、乳房が膨らむにつれて胸のパッドを少しずつ薄いものに変えていくのも楽しみになりました。そして何より丸みを帯びてきた下半身を薄手のバイクショーツに包むのがとても快感でしたし、ヘルメットから覗く髪も伸びるにつれて次第に細くしなやかになってきたようです。

寒い日には二三度ショーツではなくタイツを穿きましたが、ほとんどは冬でもショーツで通しました。そして春になるにつれ股下の短いショーツ、つまり太腿がより多く露出するショーツを穿きたくなってきたのです。

サイクリング用のバイクショーツの股下は長いものが多く、男性も女性も膝から上が少し覗く程度のショーツを穿いている人がほとんどなので、太腿を半分も露出させているとかなり目立ちます。でもそれでも私は物足りず、探しているうちにトライアスロン用バイクショーツだと5インチ、或いは4インチなんていうとても短いものを見つけたのです。

股下4インチというと太腿の付根から4インチ(約10センチ)と思われるかもしれませんが、実際には会陰部の中心に当たる縫い目から4インチですから、太腿の付根からだと2インチ位になってしまうのです。

こんな短いショーツを穿いてサイクリングしている人は見たことがありませんし、宣伝文句も室内ジムでのトレーニングや暑い日のレースに最適と書いてあるだけです。家の中で4インチのショーツを穿いてみると太腿が 4分の3以上も露出します。

このショーツで外へ出かけるつもりなの、ジーナ?

さすがに最初は4インチのショーツでアパートから出発することはできず、上にロングパンツを穿いて車で海岸沿いの駐車場まで行き、そこでロングパンツを脱いでショーツ姿になっていたのですが、ひと月も経つとアパートから4インチのショーツ姿で出かけられるようになったのです。そして太腿を大きく露出させて住宅地を走る快感の虜になった私は、このショーツのパッドも取ってしまったのです。

パッドを取った4インチのショーツをお尻に食い込ませると、股下は一段と短くなり太腿はほんの2センチ程しか被いません。そんな姿を鏡に映して何度も前を向いたり後を向いたり、どれ程大胆な、いえ恥ずかしい格好かしらと悩みましたが、とうとう私はそのままの姿で外に出たのです。

サングラスを掛けて自転車を押しながら廊下に出た途端、骨盤の奥のほうがキュッと縮まった感じがしてペニスの中を熱いものが流れ、思わず「ホォ」と喘ぎ声が出てしまいます。 そして私はそのまま自転車を右手で持ち上げると階段を下りていったのです。

駐車場にいた男性が階段を降りる私をじっと見つめていて、私が下まで降りると「グッド・モーニング」と微笑みます。私は小さな声で返事をしてからヘルメットを被ると表通りの方へ自転車を向けましたが、そうすると男性には後姿を見せることになりました。このまま自転車にまたがればまともに超ミニショーツを食い込ませたお尻を見られてしまいます。

ああ、どうしましょう。

私はしばらく躊躇してじっとしていましたが、男性が立ち去る様子はありません。それどころか自転車に乗りかけてじっとしている私を不審そうに眺めていて、このままでは声を掛けられかねません。私は意を決して大きく息を吸い込むと、両手でハンドルをしっかり握って右脚を大きく上げ、サドルに跨ったのです。

男性の視線がお尻に突き刺さり、骨盤の奥が再びキュンと鳴きましたが、構わずに私は右足でペダルを踏み込むと左足で地面を蹴って漕ぎ出したのです。

パッドを外した4インチ・ショーツはすっかり私のお気に入りになりました。バイクロードで私を追い越して行く男性達は決まって一旦はスピードを落としてゆっくりと私の下半身を見つめます。バイクロードへ行くまでの一般道では恥ずかしさは 尚更です。信号で止まると横に止まった車の中の顔が一斉にこちらを向き、そして横断歩道を渡る人たちはもっと間近から上から下まで舐めるように私の肢体を眺めるのです。ヘルメットとサングラスをしていなかったらとても耐えられない恥ずかしさですが、私はじっと前を向いたままでそんな視線を快楽に変えて楽しむのです。

* * * * * *

少しずつ変化していく身体はジーナにとっては嬉しいのですが、マイクに戻るときには段々と困ったことになってきました。 ラボに居る時はTシャツにジーンズという格好が 殆どだったのですが、お尻がきつくなる代わりにウエストが余ってきて男性用のジーンズが似合わなくなってきましたし、Aカップに近づいてきた乳房はTシャツでは隠すこ とができません。

そこでTシャツとジーンズに代わってカッターシャツと綿パンという格好をするようになりました。カリフォルニアのビジネスマン、特にベンチャー企業で働く人た ちの定番の服装です。以前から共同研究先の製薬会社に出かける時はその格好でしたので、突然服装の好みが変わったとは思われないし、実際にその製薬会社へ打 ち合わせに出かけることも増えてきたのです。

少しきつめの下着を付けてゆったりした濃い色のカッターシャツを着ればAカップ位の乳房ならほとんど目立ちません。綿パ ンもジーンズに較べるとかなり身体の線を隠してくれます。またこの頃からマイクに戻るときには陰嚢を納めることは止め、男性用のTバックを穿くことにしました。何かそ ういうことをしないと、男装をしていてもついついジーナとして振舞ってしまいそうになるのです。

髭が徐々に薄くなり眉毛を整えだした顔もマイクには似つかわしくありませ ん。ローラは口髭でも付けたらと言いましたが、その代わりに縁の太い男っぽいメガネをかけることでカモフラージュすることにしました。 こんな風に男装しているオンナになりつつあるマイクでしたがラボでは今までどおり良く働きましたし、ローラの良き指導者でもあり続けました。

* * * * *

イースターが近づく頃には太かったふくらはぎや太腿も少し筋肉が落ちたようで、ローラに付き添ってもらってミニで外出する気持ちになってきました。 今までローラと外出する度にブティックで試着しては似合いそうなのを買っていたので数だけは沢山持っていたのですが、外に着て行くのは初めてです。迎えに来てくれたローラの前で順番に着てみて、今日の晴天に合いそうな光沢の入った薄いブルーのノースリーブの ミニドレスに決めました。

少しリクラの入った生地は若干伸縮性があって程よく胸やウエスト、それにお尻の曲線を強調してくれます。肩紐は細くて背中も少し大きめに開いていますが、胸の切れ込みはそんなに深くありません。ストラップレスのミラクルブラで少しだけ乳房を強調すれば、ほんの少し胸の谷間が覗きます。

丈は膝上25センチ程でしょうか。真っ直ぐに立っていれば全然平気ですが、前屈みになるとお尻が覗きそうですね。でももちろん下着はTバックですから、そう簡単には見えません。

ローラはと言うと真っ白のレザーのホルター・ミニドレスです。素晴らしい肢体に張り付くようなドレスは膝上30センチ以上あるでしょう。 豊満な乳房を強調する深い胸の切れ込みから裾までのジッパーが目を引きます。腕繰りは小さいので前から見ると引き締まった印象を与えますが、対照的に大きく開いた背中が大胆です。

それにしてもローラは白が似合います。お揃いの白のハイヒールサンダルも素敵。私も7センチのヒールの黒のサンダルを履いて準備は完了です。サングラスを掛け、偽ルイ・ヴィトンのポーチを持って玄関のドアを開けます。

外に出た途端に春風が太腿からお尻を撫でるように通り過ぎ、私は小さな悲鳴を上げてしまいました。ドレスが捲れ上がったわけでもないのに、こんなに風を感じるのですね。太腿の露出度では4インチのバイクショーツの方が上でしょうが、これがスカートの醍醐味なのですね。女性がスカートを好きな理由がわかりました。

ローラと手を繋いで階段を降ります。幸い周りには人気は無く、7センチのハイヒールを履いた私は落ち着いて階段を降りることができました。毎日の練習の賜物でしょう、階段でもよろけることはありません。ローラのボルボに乗り込むとお尻から太腿が直接シートに触れ、スカートのもう一つの楽しみを味わいます。向かう先は、もちろんサンタモニカのプロムナードです。 ローラとの初めてのデート、初めての女装外出もそうでしたが、何か新しいことをする時にはサンタモニカのプロムナードは私たちのお気に入りなのです。

駐車場に着くと既にかなり混んでいる上に、車が次々に入ってきます。

「さあ、行きましょう、ジーナ」

ローラはドアを開けると外に出ます。私も周りを見渡して傍に人が居ないのを確認してからドアを開けて外に出ました。

「どう?変じゃない?」

「とっても素敵よ。脚も綺麗よ」

「ありがとう、ローラ」

プロムナードに出ると、やはり土曜日の昼前とあって結構な人出です。しかも海からの心地良い風が遠慮なく私の太腿やお尻を撫で、その度に私はスカートを穿いていることを実感するのです。如何に脚にフィットしたレギンズでも風が太腿に触れることはないし、太腿を殆ど露出した4インチのバイクショーツでもお尻や局部はきちんと覆われてい ます。それに較べてミニ ドレスの 何て心細いことでしょう。薄い布地は視線こそ遮ってくれますが、お構いなしに中に入り込んでくる風を防ぐことはできません。しかも薄い布地の下にはTバックを穿いているだけなので、風は遠慮なくお尻を 撫でるのです。

さらに時折強く吹く風は薄い布地を捲り上げ、太腿の付根はおろかTバックを食い込ませたお尻までも露わにしそうです。

「私、スカートが大好き!」

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「良かったわね、ジーナ。私もミニスカートは好きよ。でも捲れるのは困るわね。私はタイトなドレスで助かったけど」

「ローラ。私は少し捲れるくらい風の強い日が好きかもしれないわ」

「まあ、ジーナ。あなたって本当に・・・」

ローラは少し驚いたような目で私を見るとニッコリと笑いました。

ああ、私って露出症かもしれません。

私はあまりお店には入らずに、ローラの手を引いて風の強そうなところを選んで歩き回りました。ローラのレザーのドレスは強い風でも捲れることはありませんが、その隣で 小さな喘ぎ声を上げながらスカートの前だけを軽く手で押さえる私は、風にお尻を撫でられ るばかりか、お尻に食い込んでいるTバックまで晒しながらペニスの先を濡らしていたのです。


素敵な挿絵はミルキスさんに描いていただきました!

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