チャイナタウン編(1)

ショーへの御招待


静子夫人が香港出張中に知り合った陳夫人から招待状が届きました。

静子様

香港では楽しかったですね。お話したとおり、夏の終わりにロサンゼルスに引越してきました。静子様とも御近所ですね。

新しいショーを企画していて、来週の土曜日が初日なのですが、ドリーさんと御一緒に来られませんか?場所はチャイナタウンのレストランWです。


どんなショーなのですかと静子夫人に尋ねても、私も知らないのだけど陳夫人のショーだからあなたもきっと気に入るわよ、と惚けられるだけで教えては下さらず、そうこうする内に当日 の夕方になりました。来週はハローウィンという10月最後の土曜日です。あちこちでハローウィンパーティが催されていることでしょう。

「ドリー、そろそろ着替えましょう」

静子夫人に呼ばれて私はちょっぴりセクシーなコスチュームを着ていくのかしらと期待しながらベッドルームに入っていきました。でも夫人が手にしておられる二つのドレスは水色と薄い緑色の 足首までのロングドレスです。ホルターネックで背中こそ大きく開いていますが、 透けてもいないしミニでもないしスリットが大きく入っているわけでもありません。ちょっとがっかりです。

「あなたはこっちの水色が似合うわね」

でも夫人が私の体に水色のドレスを当てながら仰るので、ニッコリ笑って答えました。

「まあ、素敵なドレス。静子夫人はグリーンですね。良くお似合いです」

私はタンクトップを脱ぐとバスタオルを体に巻きつけて化粧台の前に腰掛けてメークを始めます。

「髪は伸ばしたままの方がいいですね?」

「そうね、それで大き目のイヤリングをしましょう」

静子夫人もタンクトップを脱ぎ捨て、さらにホットパンツまで脱ぐと白のTバックだけの姿で私の左に腰掛けられました。そして豊満な乳房を揺らしながらメークを始められるのです。

鏡の中の自分の顔を見つめていても夫人の乳房が気になりチラチラと横目で眺めていると、「そんな風に見られると恥ずかしいわ」と言いながら左腕で乳房を隠されます。

「ああ、御免なさい、静子夫人。じゃあ私も」

そう言うと私はバスタオルを落とし乳房を晒します。そして座ったままお尻を浮かしてホットパンツも脱ぎ捨てると、Tバックを穿いていない私は全裸です。

「まあ、ドリー、全裸にならなくても」

「いえ、何となく裸になりたくて」

「それならいいけど。こっちを向いて。仕上げは私がしてあげるわ」

私は太腿をピタリと閉じたまま左側を向き、静子夫人はスツールを私の方へ寄せると大きく脚を開いて私に近寄られます。私の膝がTバックに覆われた夫人の局部に触れそうです。

「真っ直ぐ私を見て」

「はい」

夫人をじっと見つめながらメークの仕上げをして戴くのは私の大好きなひと時です。夫人の目は忙しそうに動き回り、右手はとっかえひっかえ色んな小道具を摘んでは私の顔の上を飛び回ります。そして時折私と目が合うと夫人は手を止めてニッコリと微笑まれるのです。

「はい、できあがり。あとはターコイズのイヤリングをすればいいわね。それと下着は水色か白ね」

「下着を付けてもいいのですか?」

「Tバックなら大丈夫よ。それとも着けない方がいい?」

「いえ、もちろん着けます。確か水色のを持ってましたから」

私はクローゼットから水色のTバックを取り出して脚を通し、ペニスや愛袋をきちんと押し込んで引き上げます。そして先ほど夫人が出して下さった水色のドレスを身に着けて鏡に映します。思ったよりも胸の切れ込みが深くて乳房の谷間が覗きますが、上品なドレスであることには変わりありません。同じ水色のターコイズのイヤリングを付けて準備完了です。

静子夫人もメークが終わったようで、白のTバックを脱いで薄緑色のTバックに穿き替え、そしてイブニングに脚を通され胸の上までドレスを引き上げると、長い髪を横に束ねて掴んで私に背中を向けられます。

「後ろを結わえて下さる?」

「ええ」

夫人の滑らかな背中を見つめながら薄緑の紐を蝶結びにします。

「これでいいですわ」

「ありがとう」

夫人は髪をさっと下ろすと一瞬振り向いてニコリと微笑まれ、エメラルドのイヤリングを着けられます。

「靴は・・・、あなたはこの銀色のヒールでいいわね。私はこのグリーンのにするわ」

ああ、いつかフェラガモで買われたグリーンのハイヒールです。私も同じのを買っていただきましたが、残念ながら水色のドレスには合いません。

* * *

土曜日はフリーウエイが結構混んでいて、チャイナタウンまで小一時間かかりました。静子夫人がメルセデスSL500をレストランWの前に止めると、ボーイ さんがさっと駆け寄ってドアを開けて下さいます。

「さあ、行きましょう」

夫人は緑のポーチバッグを持ってさっと車から降りられます。助手席側のドアも別のボーイさんが開けて下さり、私も銀色のバッグを持って外へ出ました。

日没から大分時間が経ったので真っ青だった空は濃紺に変わっていますが、昼間の熱気は未だ冷めやらず、時折吹く清々しい風が大きく露出した肩や背中を心地良く撫でてくれます。

大きなガラスのドアを押してレストランに入ると静子夫人は「陳さんはいらっしゃる?」と尋ねます。受付の男性がすぐに奥に案内してくださいます。レストランを横切って一番奥のドアを抜け階段を下りて行くと8畳位の部屋にソファーが置いてあり、そこで待つように言われました 。

しばらくすると深紅に黄金の細かい装飾を施したチャイナドレスのとてもよく似合う中国美人が入ってこられました。 黒髪をアップに結った小さな顔と細い首筋を引き立てる首元の詰まったノースリーブのドレスは、体に張り付くようにフィットしていて、豊満な乳房そして括れたウエストを強調しています。 そして豊かに張り出した腰の高い位置にまで切れ込んだ左右のサイドスリットはスリットと呼ぶには余りにも大胆に割れていて、黒い縁取りを施した深紅の細い布を前後に垂らしているだけと言った方が正しいでしょう。

正面から見ていても、陳夫人が足を踏み出すたびに真っ白な太腿はもちろん腰骨の辺りまで露わにな ります。腰から下を覆う生地は先細りになっているので、付根付近の内太腿こそ辛うじて覆われていますが、太腿の中ほどから下は完全に露わで、深紅の細い布は漆黒の裏地を見せながら夫人の 引き締まった両脚の間でひらひらと舞っています。静子夫人がニコッと笑って「まあ、陳夫人」と言って立ち上がり、二人はしっかりと抱き合われました。

「こちらがドリーよ」

「始めまして、陳夫人」

「まあ、あなたがドリーさん。噂どおりの魅力的な方だわ」

陳夫人は私に近寄ると、 ドレスと同じ色の長い手袋を嵌めた両手を拡げて私を抱きしめようとされるので、私も陳夫人の背中に両手を回し ました。まあ、ドレスの背中は大きく開いています。陳夫人の体の温もりがじかに両手に伝わってきて、私はギュッと抱きしめてしまい、すると陳夫人の体からは不思議な良い香りが立ち昇り、私は思わず深く息を吸込みました。

「まあ、何と言う香水ですか?とても良い香り」

「気に入って下さいましたか?後で差し上げますわ、ドリーさん」

ゆっくりと体を離すと陳夫人はテーブルに置いてあった仮面を取り上げて私達に付けるように言います。

「色んな方が見えるので、お互いに分からないようにしているのですよ」

「まあ、もしかして秘密のショーなのですか?」

「それは人によりますわ。でも仮面を付けると皆さんより一層ショーを楽しめるみたいですわ」

「仮面パーティみたいなものね」

静子夫人はそう言うと薄緑と白の大きな羽飾りが付いたアイマスクを手にとって顔に当てられます。確かに目の周りは覆われてい るので静子夫人であることは分かりませんが、夫人の美貌は隠しようがありません。

私が戴いたのは銀色の猫の仮面で す。大きな耳、鼻、そして長い髭まで付いています。折角静子夫人にメークの仕上げをして頂いたのに、こんな仮面で隠すなんて。 でも、もし知っている人に会うと気まずいようなショーだったら困るし。

夫人はもう早速アイマスクを付けて、「どう、ドリー?似合う?」と珍しくはしゃいでおられます。

仕方なく私も猫の仮面をかぶりました。

「こちらの鏡をどうぞ」

陳夫人に言われて壁の鏡に映してみると、まんざらでもありません。大きく吊りあがった目が強烈な印象を与えますが、上品なイブニングドレスと好対照で不思議な雰囲気を醸し出しています。

「ではこちらへ」

陳夫人に案内されて私達は反対側のドアから出て廊下を進み ます。前を歩かれる陳夫人のドレスは背中が大きく開いている上に、袖ぐりが大きくて乳房の膨らみが横から覗いています。腰から下を覆う布地は前を覆う布地に負けないくらい先細りになっていて、お尻こそかろうじて覆 われていますが、ドレスと同じ深紅のヒールで夫人が颯爽と歩かれると、細い布地は二本の美脚の間で揺れているだけで脚を覆う役目はほとんど果たさず、太腿の中ほどから下は真後ろから見ていても露わなのです。

陳夫人の後姿に見とれながら、右に左にと何度かコーナーを曲がって最後に重いドアをギーと開けると薄暗い部屋に出ました。 ゆったりとしたチェロの調べが聞こえてきます。

部屋の 奥の方には黒いレザー張りのような長さ1メートル程の細長い台が縦に置かれてスポットライトに照らされています。黒い台は金属製らしいクローム光沢の4本の円柱脚で支えられていますが、手前の2本の脚は台を突き抜けて さらに1メートル程の高さまで伸びており、その上端が同じような金属の横棒で連結されています。4本の円柱脚も台の上に伸びた金属棒もスポットライトの光を反射して輝いています。

黒い台の手前には直径1メートル余りの深紅のお椀を横に倒したようなソファーが三つ置かれています。 さらにその手前には純白のお椀が左右に二つ、そしてさらにその手前には紫のお椀が三つ置かれています。どうやらここが今晩のショーが行われる部屋のようです。

陳夫人が紫のお椀の方へ歩いて行かれ、私達も後に続きます。

「お椀の奥に座ると周りからは見えないのですよ」

お椀の横を通り過ぎながら振り返って陳夫人が微笑まれます。

確かに、ソファーに座るとお椀 全体がちょっとした壁となり天井となって周りからの視線を遮ぎるようです。

「お席にご案内しますわ。段があるから足元に気をつけて」

私たちは紫のお椀の間を通って黒い台の方へ進みますが、その先の床は一段低くなっていて、紫のソファーに座ったお客さんからも黒い台が良く見えるのです。

黒い台に向かって左右に置かれた純白のお椀の間に来ると、真正面に黒い台が見えます。そして黒い台のすぐ手前、つまり真正面に一つ、そして左右に二つの深紅のお椀が置かれているのです。

きっとこの 黒い台 の上でショーが行われるのです。

「こちらへお掛けになって」

まあ、何と私たちは真正面の特等席に案内されました。ふと左を見ると、左側の深紅のソファーには既に男女のカップルが腰を下ろしています。暗くて 良く見えませんが、体格の良い白人男性はダークスーツ、ブロンドの長い髪の女性は濃紺色のイブニングで両肩はもちろん 、大きなVの字にカットされた胸元からは豊満な乳房がこぼれそうです。もちろん二人共仮面で顔を隠していますが、30才前後と思しき女性の美貌は隠しようもありません。 二人はカクテルグラスを手に何やら囁き合っているようです。

「お飲み物は何が宜しい?」と陳夫人が尋ねます。
「やっぱりチンタオ・ビールね」と静子夫人が答え、私も「同じものを」と言いました。
陳夫人が奥の扉の向こうへ消え、部屋が静まり返ると再びチェロの調べが聞こえてきます。 今まで気が付かなかったのですが、部屋の右奥のコーナーで黒のイブニング姿の女性がチェロを弾いています。

「一体どんなショーなのですか?」

「さあ、私も知らないの」

「あの金属のポールは誰かを固定するためのものかしら?」

「そうかもしれないわね。テーブルに仰向けにされて、両脚を拡げられてあの2本の柱に括り付けられたら大変だわ」

私は可哀想な生贄の事を想像してしまい、骨盤底筋をキュッと締め付けてしまいました。

ボーイが2本のチンタオとグラスを二つ、それにディム・サム(飲茶)を盛り合わせたお皿を持って来ました。ああ、いい匂い。そう、夕食が未だでした。私達は軽くグラスを合わせてから ビールをゴクゴクと飲み、ディム・サムを戴きながらショーの開演を待ちます。

ボーイが姿を消すと直ぐに陳夫人が別のカップルを連れて後ろから入って来られ、私達の右側のソファーに案内されます。 長い黒髪が見事なそのアジア系の美人は腰まで届くような深いスリットの、濃い緑色に金がちりばめられたチャイナドレスで見事な肢体を覆っておられます。目の周りは仮面で隠しておられますが、仮面から覗く鋭い目、そして形の良い鼻、欲情する赤い唇には思わずため息が出ます。 同じアジア系と思われる男性も黒のスーツに引き締まった体を包み、精悍な顔立ちをわずかに仮面で覆っています。

その後は次から次へとゲストが入って来られ、私は時々お椀の端から顔を出して後ろを振り返って見ていたのですが、あっと言う間に八つのソファーは八組のカップルで埋まりました。どうやら女性同士のカップルは私たちだけのようです(外見だけの話ですけども)。 ボーイがソファーを回って飲み物やディム・サムを配り、あちこちからカップルの囁き声が聞こえます。 心地よいチェロの音色に耳を傾けながら、私も静子夫人もチンタオを、そしてディム・サムを堪能しました。

突然チェロの演奏が途絶えスポットライトが消えて客席が静まり返りました。数秒の静寂の後、今度は奥の扉にスポットライトが当たります。そして扉が開くとまず陳夫人が、そしてすぐ後ろから漆黒のイブニングに身を 包み、アップに金髪を結った白人女性 が陳夫人に右手を引かれて登場しました。チェロが再びゆったりとした調べを奏で始めます。女性は仮面ではなく目隠しをされています。 陳夫人とその女性はスポットライトに照らされながらゆっくりと近づいて来られ、黒い台のこちら側まで来ると一旦立ち止まります。目隠しをしていても女性の顔が強張っているのがはっきりと分かります。 胸を隠しているのはウエストから上に伸びた二本の5センチほどの幅の布だけで、豊満な乳房はその半分以上が細い布からはみ出しています。

客席を見渡して軽く会釈をした陳夫人は女性の手を引いてお椀型のソファーの間を縫うようにゆっくりと歩を進め、前後からスポットライトが追いかけるように二人を照らします。正面からでは気付かなかったのですが、前からスポットライトで照らされる陳夫人を後ろから眺めると、夫人のお尻を覆う布地は妖しく透き通り、Tバックすら身につけておられないことが明らかです。

夫人に手を引かれている女性の漆黒のドレスは透けることはありませんが、背中を覆うのは首の後で大きな蝶々に結ばれている布だけで、うっすらと脂肪を載せてピンク色に染まった 美しい背中が露わです。

客席を一回りした二人が私と静子夫人の目の前に戻ってこられ、チェロの演奏が止むと、陳夫人はもう一度客席を見渡した後、ゆっくりと口を開かれました。

「皆さん、こんばんは。マダム・陳でございます。左隣におりますのは、アシスタントを努めますレイチェルでございます。彼女は実は今晩が初舞台で、少し緊張しているようですが、 どうかよろしくお願い申し上げます」

陳夫人とレイチェルと呼ばれた白人女性が一斉に深々とお辞儀をし、客席からはパラパラと拍手が起こります。

ゆっくりと体を起こした陳夫人が続けます。

「実はレイチェルが緊張している理由はもう一つあるのです。実は彼女はショーの中身を知らないのです」

陳夫人の思いがけない言葉に客席がざわめきます。ショーの中身を知らなくてどうしてアシスタントが務まるのでしょう。私が静子夫人の顔を覗き込むと、夫人も私を見ながら肩をすくめます。

「レイチェルに目隠しをしているのは、今からお客様がご覧になることを彼女には見せないためなのです。だから何をご覧になっても決して口には出さないで下さいね」

レイチェルの顔は益々強張り、必死で陳夫人の左手を握り締めています。

陳夫人が右手を軽くあげると、先ほどのボーイが一抱えもある籐の籠を抱えて登場し、陳夫人の右側に置きました。

一体、籠の中には何が入ってるのでしょう? 客席が再びざわめきます。

陳夫人は人差し指を立てて唇に当てると、レイチェルの手を離し、すかさずボーイがレイチェルの手を取って一歩後ろに下がらせます。

再びチェロのゆったりとした調べが流れ始めると、陳夫人は両手を左右に大きく拡げてバランスを取りながら、右脚を伸ばしたまま大きく開いて斜めに上げ、籐の籠の上に赤いヒールを履いた右足を載せたのです。

そして右足を器用に動かして籐の籠の蓋を跳ね上げると、突然音楽が激しくなります。

バレエダンサーのように左足だけでバランスをとった陳夫人は、ゆっくりと右足を籠の中に降ろして行かれます。赤いヒールが、そして足首までが籠の中に隠れ 、陳夫人は両手を腰にあてて真っ直ぐに正面を見つめられます。大きく脚を開いておられるので、 前に垂れている深紅の布地はかろうじて腰から下腹部を覆うだけで、真っ白な太腿がほとんど付根から露わになってスポットライトに照らし出されます。

激しいチェロの叫びが突然止むと同時にスポットライトが消え、夫人の姿は闇に沈みました。そして次の瞬間、今度は 陳夫人の太腿からウエスト辺りまでが美しいシルエットとなって浮かび上がりました。幾分小さめのスポットライトが真後ろから陳夫人の腰の辺りを照らし出したのです。下腹部をかろうじて隠していた深紅の布が見事に透けて、夫人の太腿の付根はおろか局部の微妙な形までが見えるようです。やはり下着は着けておられないのです。

「ヒィッ」

左側に座っているブロンド女性が悲鳴を上げました。

どうしたの? 私が思わずその女性の方を見ると、静子夫人がトントンと私の太腿を叩きます。

「籠を見て!」


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