有馬温泉編(18)

最後の責め

「ああ、ほ、星野夫人、は、はやく、お、お尻に、む、鞭を下さい!」

「まあ、自分から鞭をおねだりするなんて、ドリーさん、どうしたの?」

星野夫人はとぼけて、鞭を振り上げる気配もありません。

「はぅ、あぅ。ああ、星野夫人、早く鞭を。鞭が欲しいのです。鞭でイカせて下さい!」

「そんなに欲しいのなら仕方ないわね。じゃああげるわ」

「ああ、ありがとうございます」

天井を見上げて目を瞑り、今か今かと鞭を待ちます。星野夫人が鞭を振り上げる音がしました。

ああ、鞭を下さい!

そしてやっと鞭がお尻に振り下ろされましたが、それは「ぺシャッ」という音しかしない弱いものです。

「ああ、そんな緩いのは駄目、もっときつく打って下さい!」

「でもドリーさんのお尻は真っ赤だから可哀想で」

「私は大丈夫です。もっときつく」

「ペシャッ」

「ああ、もっときつく、もっと、きつく!」

若女将の手の動きが激しくなります。

ああ、あなたじゃないの。

思わず顔を下に向けると、上気した顔で私を見つめている若女将とまたも目が合ってしまい、ペニスの奥がジーンと痺れます。

ああ、駄目、駄目。

愛袋がキューッと縮み上がります。

「ほ、星野夫人、む、鞭を、は、早くぅぅぅ」

若女将も夢中でピストン運動を続けます。

ああ、もう駄目。射精しちゃうぅぅぅ。

そして 間一髪のところで星野夫人はきつい鞭を下さいました。

「ヒュッ。ピシッ」

「ォオオオオオッ」

あと何分の1秒でも遅かったら私は間違いなく射精してしまっていたでしょう。しかし星野夫人の下さったきつい鞭は射精の為に収縮しようとしていた膀胱括約筋の動きを止め、辛うじて射精を免れた私は安堵の胸をなでおろした瞬間に感極まって泣き出してしまい、 さらに鞭の一撃を受けたお尻が追い討ちをかけるように凄まじい快感の炎を吹き上げ、私は裸身を震わせながら快楽の高みへと昇り始めたのです。

「ォオオオオ」

そしてペニスは徐々に柔らかくなっていきます。

「ヒュッ。ピシャッ」

そして震えるお尻に二度目の鞭が炸裂すると、アヌスにまず燃え上がった快感の炎は骨盤の中を焼き尽くし、お腹から胸へと駆け上がるのです。

ああ、太腿をギュッと閉じて骨盤底筋を思いっきり締め付けたい!

しかし両脚の間では先ほど膝を焼きそうになったロウソクの炎が二つも燃え盛っています。拘束もされていないのに、自分の意思の力で太腿を 大きく開いた体位を取り続けなければならないなんて。しかも開脚爪先立ちですから快感にもだえて腰を捻ることさえできず、愛液の糸を垂らし続ける半勃起のペニスは若女将の手 でもてあそばれているのです。

「オゥ、オゥ、オゥ」

私は唯一自由になる顔を右に左にと激しく振りながら喘ぎます。

そしてとうとう、快感の炎が胸から喉へと達し、私は「ギギィィィィィ」とまるで怪鳥のような叫び声を上げながら、高々と吊られた全裸をガクガクと震わせてオーガズムに達し たのです。

オーガズムは1分以上も続いたでしょうか。その間私は裸身をブルブルと震わせたまま、「ウゥゥゥ、ウゥゥゥゥ」と呻き続けたのです。

やっと震えが収まり、私は「フゥー」と大きく息を吐きましたが、柔らかくなったペニスを若女将に優しく握られ思わずアヌスをキュッと締めてしまった瞬間、またしてもアヌスからお尻へ、そして下半身全体へと快感が広がり、「アゥアゥアゥ」と呻いた後、またしても「キィィィィィ」と叫んで二度目のオーガズムを極めてしまったのです。鞭も何も受けていないのに、アヌスを少し引き締めただけなのに。

1分程経った後、体の震えがやっと止まり、私は「フゥー」と息を吐きます。

もう怖くてアヌスを引き締める事もできず、私は浅い呼吸を繰り返しながら、しかし太腿は大きく開いて爪先立ちをしたまま、ぼんやり静子夫人の顔を眺めています。 半勃起状態で愛液をじくじくと漏らし続けるペニスは未だ若女将の手に握られたままです。

静子夫人が若女将に何やら囁くと、若女将は納得したような顔をされ、ペニスが開放されました。

ああ、これで射精する心配はなくなりました。

しかし次の瞬間、若女将の手が今度は愛袋をやさしく包んだのです。

「ホォ」

そして若女将の熱い手で二度、三度と愛袋を握られた私は、「アゥアゥ、ハゥハゥ、ハフハフ」と腰が抜けたような喘ぎ声を漏らし、そのまま「クゥゥゥゥーーー」と呻いて三度目のオーガズムに達したのです。

「ムゥ」と呻いてやっと体の震えが止まりましたが、静子夫人が再び若女将になにやら囁いています。

ああ、次は何を。

若女将の手が愛袋から離れましたが、目はじっと私を見つめたままです。

ああ、次はどうしろと言われたの?

私は不安と期待の入り混じった情欲の目で若女将を見つめます。若女将の手は未だ私の股間付近から離れません。

ああ、早く次の責めを。

私は爪先立ちの両足をもう一度ピンと伸ばし、太腿を精一杯開いて無防備の局部を晒しています。ペニスは柔らかく垂れ下がり、先からは透明の粘液が糸を引いてゆらゆらと揺れ、若女将の腕にまとわりついていることでしょう。

ああ、次は何を。私は局部に全神経を集めて若女将の指を待ちます。

そして私の期待に応えるように若女将の指が会陰部に触れたのです。

「ォオオオ」

私は喘ぎながら天井を仰ぎます。

若女将の指はぎこちなく会陰部を往ったり来たり彷徨います。そして、そのぎこちなさが却って予期せぬ刺激となり、私はたちまちキューンと骨盤底筋を締め付けてしまい、若女将の指がほんの二三度会陰部を往復しただけで、私は「キィィィィィィ」と呻きながらまたも裸身を震わせながら四度目のオーガズムに達したのです。

ああ、今夜はどうしてこんなに敏感なのかしら。開脚爪先立ちで吊られているという異常な体位がそうさせるのでしょうか?若女将に真正面から見つめられているからでしょうか?それとも先程からの星野夫人の様々な責めの結果でしょうか?きっとそれら全てが私をこんなにも敏感にしているのでしょう。

体の震えが収まって、「フゥー」と大きく息を吐くと、星野夫人が前に回って来られました。

「ドリーさんの勝ちね。殆ど鞭も要らないくらいでしたわね」

そして股間に燃える二本のローソクが除けられ、私は久しぶりにペニスを隠して太腿を閉じる事ができました。さらに手首で止めていたロープの一端が解かれると、私はそのまま床に崩れ落ち、両腕で乳房を隠して海老のように丸まって横たわったのです。

「大丈夫ですか、ドリーさん?」

若女将が心配そうに私を抱くように覗きこみます。

「ええ、大丈夫よ」

そう答えた私でしたが、若女将と視線が合ってしまうとまたしてもキュンと骨盤底筋を締め付けてしまって、「アァ」と喘いでしまうのです。

「本当に?」

若女将が私の肩や背中をさすりながらじっと見つめて下さるので、私は気持ちが良くてうっとりしてしまいます。

「心配要らないわ。気持ち良すぎただけだから」

静子夫人が言うと若女将は少し納得したらしく、 「じゃあ、私はこれで」と言って立ち上がろうとしましたが、星野夫人が肩に手をかけながら、「まあ、もう少しいいんじゃない?次でドリーさんにとどめを刺すから」と仰るのです。

まあ、とどめを刺すですって?もうあれだけドライオーガズムに達したのに、未だ何を?

私は横たわったまま不安と期待の入り混じった目で星野夫人を見つめます。そして星野夫人の右手がすっと横に伸びると、燃え盛るロウソクを1本掴まれたのです。

ああ、ロウソクを垂らされるのです。

「若女将、あなたも1本持ちなさい。静子夫人、ドリーさんを仰向けにして手を押さえて下さる」

「こうかしら?」

まだ括られたままの手首を静子夫人にゆっくりと頭上に引張られ、私は乳房を露わにしながら仰向けに横たわります。

乳房にロウソクを垂らされるのです。

「ドリーさん、脚も真っ直ぐ伸ばして」

私は言われるままに、くの字に曲げていた下半身を伸ばします。もちろん太腿はきちんと閉じてペニスを挟んでいます。

きっと太腿にも。そして局部にも。

星野夫人は正座したままにじるように私の足元に移動しながら、若女将を手招きします。

「あなたもこちらへ」

そしてロウソクをちょうど肩の高さ位に掲げられたのです。

「これ位高いところから落とさないと熱すぎて火傷をしてしまいますからね。それだけ気をつければ後は自由にしていいのよ」

若女将は神妙な顔つきで私の足の左側に移動し、やはりロウソクを掲げられました。

今まで色んな経験をしてきましたが、ロウソク責めは初めてです。怖くて震えそうな体を、ゆっくり深呼吸をしながら鎮めて静子夫人を見つめると、夫人は「大丈夫よ」と優しく囁いて下さいます。

ああ、静子夫人。でも怖いです。

足元の星野夫人は氷のように冷静な顔で私を見つめておられます。そして若女将は心配そうに星野夫人の手先を見詰めています。

「ドリーさん、今からとどめを刺してあげるわ。思いっきり泣いていいのよ」

ああ、星野夫人。ロウソクの責めをお受けしますわ。静子夫人。しっかり見守っていて下さいね。

私はゆっくりと大きく息を吸うとそのまま息を止めて星野夫人の手に握られたロウソクを見つめます。

そして何秒かの静寂の後、星野夫人の掲げるロウソクがゆっくりと傾けられたのです。


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